Emma Farge

[ジュネーブ 16日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)ののオコンジョイウェアラ事務局長は16日、米大統領再選を目指すトランプ氏が提唱する10%の輸入関税案について、相手国の報復措置を招いて貿易システムが混乱しかねず、双方にとって不利な「ルーズルーズ」の状況になると懸念した。

トランプ氏は、11月5日の大統領選で再選した場合、全輸入品に10%の関税を適用すると表明している。

オコンジョイウェアラ氏は、WTO設立30周年を記念してワシントンで行われたイベントで10%の輸入関税が導入された場合の影響について質問され、「WTOの規則に助けとはならない。他のメンバーも課税方法を模索し、報復合戦となる可能性が最も高いと思う」と指摘。さらに「そうなれば、貿易の安定性と予測性が覆されることになる」と述べた。

トランプ氏が再選した場合の貿易に及ぼす影響について初めて公の場で言及した。