Guy Faulconbridge

[モスクワ 17日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は17日、中国訪問の締めくくりに開いた会見で、習近平中国国家主席との首脳会談ではウクライナを含め多くの重要な課題について意見交換したと述べた。ウクライナでの「特別軍事作戦」は計画通りに進んでいるとする一方で、北東部ハリコフの制圧は現段階の計画には含まれていないと述べた。

首脳会談では、習氏から欧州歴訪中の協議内容について詳細な説明を受けたとし、習氏が戦争終結に向け柔軟なアプローチを取っていると称賛した。

一方、2022年にトルコでロシアとウクライナの交渉チームが合意した停戦案が西側の介入で反故(ほご)になったと批判した。その上で、失敗した22年の交渉が和平の基礎になる可能性があるとした。ただし、いかなる停戦も、ロシアがウクライナ領土の約18%を支配しているという現状を考慮しなければならないと述べた。

6月にスイスで開催される見通しのウクライナ和平会議については、ロシアは話し合う用意はあるが、招待されていないと述べ、会議で決めたことを最後通告としてロシアに突き付けるのではないかと指摘した。

どのような条件であればスイスの会議に参加する用意があるかとの質問に、政治とは具体的な現実のことであり、仮定の状況ではないと答えた上で「しかし、われわれは(和平について)話し合う用意がある。拒んだことはない」と語った。

<ハリコフ制圧、計画せず>

ロシア軍の攻勢が報じられているウクライナ北東部ハリコフについて、プーチン氏は、現段階で制圧の計画はないと述べた。ハリコフ州に侵攻したのは、ウクライナがベルゴロドなどロシア国境地帯に砲撃を加えたことへの対応だとし、「ハリコフ方面で起きていることについてもウクライナに責任がある」と指摘した。

ハリコフ周辺で活動しているロシア軍は自衛のための「緩衝地帯」を設定していると説明した。