[フランクフルト 21日 ロイター] - イエレン米財務長官は21日、欧州の銀行幹部に対して、ロシアによる制裁逃れを封じる取り組みを強化するよう促した。

銀行幹部との会合の冒頭で、昨年12月に「二次制裁」が可能になったことにより、ロシアがウクライナでの戦争に必要な物資を調達する能力がそがれたものの、さらなる努力が必要と強調。

「ロシアは引き続きセンシティブな物資を調達し、そうした物資の国内製造能力の拡大を続けている。われわれは警戒を続け、より野心的になる必要がある」とし「ここにいる全ての金融機関に対して、コンプライアンス対策を強化し、ロシアの制裁逃れを防ぐ取り組みを強化するよう求める。グローバルな制裁コンプライアンス方針が、海外の支店や子会社にも厳格に適用されることを望む」と述べた。    

「ロシアはドイツや米国など先進国から重要物資を調達しようと必死になっている」とも発言。「クレムリンが防衛産業基盤に物資を供給したり、そのためにわれわれの金融システムにアクセスしたりすることがないよう警戒を続ける必要がある」と述べた。

これに先立ち、米財務省はオーストリアの銀行大手ライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)に対し、ロシアの大物実業家オレグ・デリパスカ氏が絡む取引を中止するよう要請。取引は打ち切られた。

イエレン氏は、対ロ制裁回避で最も懸念されるのは中国、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコを通じた制裁回避だと発言。ただ「中央アジアからコーカサス、欧州全域まで、場所を問わず制裁回避を阻止するため、作業を進めている」とも述べた。