低コストでリスク排除

 安全で健康に、働きやすい職場づくりにおいて、現場にいる労使が話し合い、自主的に取組みを進める「参加型改善」は、専門家が指導する「トップダウン方式」に比べて、低コストで即時的に実行できる。本書はその成り立ちや特徴、今後の展望を解説した。実際に38年前、東南アジアの中小企業の製造現場で、仕組みの構築と普及に携わった元ILO職員が執筆した。

 参加型改善で特徴的なのは、他社の良好事例や改善策を写真やイラストで示したチェックリストを作ることだ。リストを持って労使が一緒に現場を点検し、グループ討議をし、すぐに改善策を決め、実行に移す。チェックの対象は作業方法・編成や福利設備まで多方面に及び、安全健康リスクを予防的に発見することができるという。

(小木 和孝・川上 剛 著、現代書館 刊、2200円、TEL:03-3221-1321)