佐賀での見え方(日没30分後)

 私たちの太陽系には、太陽を中心に惑星などがありますが、他にも惑星よりずっと小さなたくさんの天体も太陽を周っています。彗星(すいせい)もそのような小天体の仲間で、主に氷やちりでできた「汚れた雪玉」のような天体です。ほとんどの彗星は太陽系の遠いところからやってきて、毎年のように新しい彗星が発見されていますが、そのほとんどは暗くて、望遠鏡を使わないとみられません。数年〜10年に1度程度、特に大きな彗星が地球に近づくと、肉眼でも尾を引くように見えるため「ほうき星」とも呼ばれます。

 この4月に、ポン・ブルックス彗星が71年ぶりに地球に近づきます。この彗星は、まず1812年に ポン(フランス)により発見され、1883年にブルックス(アメリカ)に再発見されました。後世の研究により、これは71年の周期を持つ同じ彗星の回帰であることが分かり、歴史上12個目の周期彗星となりました。(現在では、約450天体もの周期彗星が登録されています)

 ポン・ブルックス彗星は2024年4月21日に太陽に最接近します。今回は地球との位置関係はあまりよくありませんが、日本など北半球では、4月上旬が観察の好期となります。彗星の明るさは予測が難しいのですが、過去の実績から4等級まで明るくなり、空の暗いところでは、肉眼で見られる可能性があります。観察には双眼鏡や望遠鏡がおすすめです。学習館では観察会を予定しています。

 文・早水勉(佐賀市星空学習館副館長)

 

 ○星空学習館のイベント

「ポン・ブルックス彗星観察会」

【日程】4月6日(土)

【時間】説明会=18時半、観察会=19〜20時

【参加費】無料

※申し込み不要

※天候不良時は説明会のみ実施

※参加者には彗星の写真をプレゼント