2025年7月の開院に向けて建設が進む「公立佐賀中央病院」=多久市東多久町

 多久市の2024年度一般会計当初予算は、前年同期比20・9%増の174億6千万円で過去最大となった。「公立佐賀中央病院」の建設工事が本格化し、負担金が大幅に増加することが主な要因。こうした中での予算編成について、市はさまざまな側面から検証したとし、「持続可能な財政運営を基調とした編成を実施した」と説明する。

 多久市立病院と小城市民病院を統合して新設する公立佐賀中央病院は、25年7月の開院を目指して東多久町で建設工事が進む。多久市と小城市の整備費負担割合は9対1で、多久市の24年度負担金は30億2692万円。このうち27億3280万円は、国が返済額の実質7割を負担する過疎対策事業債を充てる。

 新規事業では、市営砂原団地の長寿命化に向けた改修工事費に1億5576万円を組んだ。DX関連事業推進には5218万円を計上し、証明書発行で「書かない窓口」を構築するなど、デジタル技術を活用して住民サービスの向上を図る。産婦健康診査の費用助成も実施する。

 市制施行70周年の記念事業費は586万円。国民スポーツ大会に関連し、プレミアム付き商品券の発行などでにぎわいの創出を図る。(古川浩司)

▼市制施行70周年記念事業【586万円】

 5月1日に記念式典を実施。特別記念事業として木育キャラバンやパークゴルフ・グラウンドゴルフ大会、テレビ番組の公開収録などを行う。

▼DX関連事業【5218万円】

 「書かない窓口」の構築や各種証明書のコンビニ交付サービスなど、デジタル技術を活用して住民サービスの向上を図る。

▼産後ケア・産婦健康診査事業【109万円】

 産後2週間、1カ月の産婦に対する産婦健康診査の費用を助成。サポートが必要な産婦には助産師が訪問し、支援を強化する。

▼砂原団地改修事業【1億5576万円】

 市営砂原団地1棟の外壁や給排水管の改修、手すりの設置、床のバリアフリー化などを行う。

▼公立佐賀中央病院整備事業【30億2692万円】

 多久市立病院と小城市民病院を統合した「公立佐賀中央病院」の建設工事を進める。

▼国スポ飲食店等誘客推進事業【1300万円】

 国スポの関係者や観光客のおもてなし事業として、飲食店ガイドブックを作成し、プレミアム付き商品券を販売する。