日本画と仏像で3人展を開いている西岡一義さん(右)と江口泰觀さん=佐賀市の高伝寺前村岡屋ギャラリー

 日本画家の西岡一義さん(74)=佐賀市=と教え子による3人展が、同市の高伝寺前村岡屋ギャラリーで開かれている。日本画家の酒井龍一さん(40)=鳥栖市出身、岡山県在住、仏師の江口泰觀(本名・泰貴)さん(37)=武雄市出身、京都市在住=と、えり抜いた作品で共演する。12日まで。

 酒井さんは2020年に春の院展で最高賞に次ぐ奨励賞を受けた「或(ある)る扉」など20点を並べる。焼き付けた箔(はく)の中に風景を見いだした「Utopia−環−」は、アートフェアで海外の愛好家からも好評を得たという。

 江口さんは「今までで一番の自信作」と語る「弁財天半跏(はんか)像」や「韋駄天(いだてん)立像」など6点を展示した。弁財天はカヤの一木造りで、母性的な表情の中に緊張感が漂う。韋駄天がまとう天衣は軽やかで、禅宗独特のすがすがしさを感じさせる。

 西岡さんは「早津江の朝」など、郷土への愛着が感じられる11点を見せる。「質の高い作品が集まり、2人ともよく研究して上手になっているのが分かる」と教え子の成長に目を細める。(花木芙美)