訪問介護の仕事をしながら、シンガー・ソングライターとして活動する古瀬陽子さん=唐津市千代田町

 唐津市内で訪問介護の仕事をしながら、弾き語りのシンガー・ソングライターとして活動する古瀬陽子さん(47)=福岡市出身=が6月15日、市内の居酒屋「唐津の海賊」でライブを開く。唐津での生活や介護職の経験を生かし、命や生をテーマに制作した楽曲をギターとともに届ける。

 上京後の2002年にファーストアルバム「こんな夜に」でデビューし、芸能事務所「アミューズ」の25周年記念映画の挿入歌などを手がけた。20年来の交流がある海援隊の千葉和臣さんや、地元アーティストのライブに招かれるなど県内外で精力的に活動する。

 両親が唐津市出身。約10年前に唐津へ移り住み、新型コロナ禍をきっかけに訪問介護の職に就いた。首都圏での生活から、自然に囲まれて緩やかに時間が流れる土地へ移り、曲のテーマは「命」や「生きること」へと変化した。

 肺がんを患ったビートルズファンの父・哲さんと英国を旅し、昨春に自宅でみとった。「一人でも多くの人が愛情の中でみとられて、この世を旅立てたらどんなに幸せなんだろうと痛感した」と振り返る。ライブでは父の死を経て、制作した楽曲も奏でる。

 古瀬さんは「主役は聞き手。一人一人それぞれの思いを重ねて聞いてもらいたい」と話す。午後7時開演、チケットはワンドリンク付きで3千円。(横田千晶)