光武酒造場が導入した大型冷蔵庫の庫内。日本酒などを瓶詰めした状態で貯蔵する=鹿島市古枝の同社出荷センター

 光武酒造場(鹿島市、光武博之社長)は、搾りたての日本酒のフレッシュな味わいを通年保って出荷ができるよう、大型の冷蔵庫を導入した。新酒をすぐに瓶やたるに詰め、製品にして冷蔵庫に貯蔵することで新鮮な状態で提供することができ、海外を含めた販売拡大につなげる。

 同社はこれまで、日本酒を搾ってタンクに貯蔵し、製品化する時に熱殺菌などをして瓶詰めしていた。今回の取り組みでは、搾ってすぐの新酒を瓶詰めした状態で冷蔵。熱殺菌の回数を減らすことでもフレッシュさを保つ。出荷時はラベルを貼るだけで、作業の省力化と生産性向上も図る。

 導入した冷蔵庫は幅21メートル、奥行き13メートル、高さ7メートルで、同市古枝の出荷センターに整備した。内部を2部屋に分けて庫温を0度前後と5〜6度に保っており、できるだけ酒の熟成が進まないように貯蔵している。約7500万円を投資、国の事業再構築補助金を活用した。

 光武社長は「新酒に近い味を保つことができ、他社との差別化を図ることができる」と狙いを語る。米国やアジア、欧州など18カ国に輸出もしており、「海外出荷にも抜群。海外では消費まで数ヶ月かかる場合もあるので、なるべくフレッシュなお酒を届けていきたい」と販売拡大に意気込む。(北島郁男)