埼玉県の関越自動車道の嵐山小川インターチェンジ(IC)で本線に進入しようとする逆走車両を停止させ、交通事故を未然に防いだとして、県警高速隊は22日、川越市の会社員、木村正清さん(73)に感謝状を贈呈した。

 木村さんは3月18日午前8時37分ごろ、仕事の打ち合わせに行くため関越道下り線から同ICの減速車線に向かって走行中、出口から逆走してくる車を発見。「おかしい」と思った木村さんは、減速車線の中央付近に自らの車両を止めた上、逆走してきた車を停止させ、路肩に誘導し110番した。

 通りかかった道路管理関係者に応援を求めるなど警察官が現場に到着するまでの間、現場にとどまり高速道路本線への逆走を防いだ。逆走車を運転していた女性は「ここは一般道だ」などと言っていたという。

 木村さんは「もし3秒遅れていたら本線に入ってしまっていたし、速度が合えばぶつかっていた。運転する人は気を付けてほしい」と話した。高速隊の松本慶孝隊長は「高速道路上を逆走車両が進入した場合、重大事故に発展する可能性が極めて高い。未然に防止していただき、大変ありがたい」と感謝した。



 高速隊によると、高速道路の逆走は昨年は1件、一昨年は2件あった。いずれも運転手の年齢は80代だったという。同隊は、自転車や歩行者の誤進入も目立つと指摘。大型連休で、高速道路の交通量増加が見込まれることなどから「道路標識や案内表示をよく見て、誤進入に気を付けてほしい」と呼びかけている。