出雲署は26日、「金」取引を持ちかけられた島根県出雲市内の60代女性が、交流サイト(SNS)で2440万円をだまし取られるSNS型投資詐欺被害に遭ったと発表した。出雲署員が被害を察知し、女性を説得する機会があったが、止めきれず、被害が拡大した。

 出雲署によると、昨年8月中旬、60代女性はSNSアプリ上で「川島」と名乗る人物と知り合った。「金投資で1カ月以内に2倍の利益を稼げる」「証券取引委員会や金融庁が監視しており、安全性が確保されている」と言われ、11月以降、複数回振り込んだ。

 12月ごろに「川島」や「アニムーン」と名乗る業者から「1000万円の損失が出た」「資金を用意すれば損失は取り返せる」とのメッセージが届き、今年1月下旬まで11回にわたり振り込んだという。

 1月下旬に金融機関から高額振り込みがあるとの通報を受け、出雲署員が「詐欺の可能性がある」と説得。しかし、女性はまっとうな投資と信じ、応じなかったという。

 女性はその後も詐欺グループの追加入金の指示に従って振り込んだ。度重なる要求に不審に思い、2月に同署に相談して詐欺と気付いた。

 署員の対応について小村幸副署長は「詐欺の確証がない中でそれ以上、強制はできない。判断は間違っていなかった」と述べた。