ポスト川勝をめぐる静岡知事選挙に向けた動きは、4月8日になって一気に加速しました。元官僚で県の副知事も務めた大村慎一さんが出馬を表明し、前浜松市長の鈴木康友さんも出馬を前向きに検討していることが分かりました。

<知事選の出馬を表明 大村慎一氏>
「きょうは私が立候補の気持ちを固めたことを説明しようと思った次第です」

4月8日、知事選への出馬を表明したのは、元総務省官僚で静岡県の副知事も務めた大村慎一さん(60)です。大村さんは静岡市出身で1987年に現在の総務省に入り、静岡県の副知事などを経て、2023年7月に総務省を退職しました。

<知事選の出馬を表明 大村慎一氏>
「知事の急な辞職があって混乱も起き対立と分断があるように思っています。私が取り組みたいのは県政の立て直しその1点です」

知事選をめぐり、正式に立候補を表明したのは大村さんが初めてです。関係者によりますと、静岡県中部の経済界の一部などが国とのつながりや地方行政の経験がある大村さんに打診していたということです。

大村さんは出馬表明の後、県議会の最大会派・自民党会派にあいさつし、支援を要請したということです。

<自民党県連 城内実会長>
「どういう形になるかは全く現時点では白紙です。本当に驚きました。こんなに早く候補者が名乗りを上げるとは予想だにしていなかった」

大村さんは、ふじのくに県民クラブなど、他の会派も回った後に川勝知事のもとへ…。

<知事選の出馬を表明 大村慎一氏>
「ごあいさつで、がんばくださいと」

大村さんは、政党などに所属せず、無所属で出馬する方針で「オール静岡」を目指したいとしています。

一方、知事選をめぐっては、前浜松市長の鈴木康友さん(66)も出馬を前向きに検討していることが分かりました。鈴木さんは浜松市出身で、衆議院議員を務めた後、2007年に市長選で初当選し、2023年4月末まで4期16年務めました。

関係者によりますと浜松市の経済界の一部が政令市の市長としての経験や知名度がある鈴木氏に打診したということです。鈴木さんは4月8日、SBSの取材に対し「現在、情報収集中で前向きに熟慮している」とコメントしています。

こうした状況にスズキの鈴木修相談役は「ノーコメント」という紙で答えました。

知事選に向けた動きが一気に表面する中、自民党会派は緊急の会合を開き、知事の辞表提出に伴う選挙の日程を共有したうえで、候補擁立に向けてスピード感をもって動くことを共有したということです。

<自民改革会議 増田享大代表>
「対決とか対立とかそういった構図ではなくて、静岡県の今の状況を冷静に分析して、どういう施策、方針が必要なのかということに注視してこだわっていきたいという思いが強いです」

一方、立憲民主党県連も幹事会を開き、知事選に向けた対応を協議しました。

<立憲民主党県連 源馬謙太郎代表>
「裏金問題をまだまだ解決しきれていない、まく引きを図っている自民党が主導してこの県政のかじ取りを担うのか、私たち自身が主軸となって、県政のかじ取りを任せる人を探していくのか、大事な局面になります」

また、立憲民主党県連顧問の渡辺周衆議院議員が4月8日、連合静岡を訪れました。知事から打診とも受け取れる連絡を受けたことなど、一連の経緯を説明したということです。

<立憲民主党県連顧問 渡辺周衆議院議員>
「欠けるのはいなくなるのは困ると幹部からも言われてますし、やるなら応援するよという声もいただいてますし、どちらもおっしゃる通りなので、どちらも有難く、重く受け止めている」

知事選の候補者をめぐっては、与党、野党とも党内での意見が分かれていて、今後、与野党相乗りの可能性も含めた調整が続いていくとみられます。