静岡県は4月22日、60代の女性がマダニが媒介する日本紅斑熱に感染したと発表しました。静岡県内で日本紅斑熱患者が確認されたのは2024年に入り、初めてです。 

日本紅斑熱に感染したのは、中部保健所管内に住む60代の女性です。県によりますと、女性は4月10日ごろから 食欲不振や全身の倦怠感を訴え、入院。静岡県環境衛生科学研究所で血液検査を行ったところ、日本紅斑熱の病原体遺伝子が検出されたということです。

日本紅斑熱は「日本紅斑熱リケッチア」という病原体を保有するマダニにかまれることで感染する病気です。人から人へ感染して広がるものではありません。マダニにかまれてから2日から8日の潜伏期間のあと、高熱や発疹が現れ、重症化した場合には死に至ることもあります。

女性はマダニにかまれた自覚はなく、かまれた痕もありませんでしたが、広い範囲に発疹が出て、体調を崩す前に、畑仕事をしていたことから、県では作業中にマダニにかまれ、感染したと推定しています。女性はすでに快方に向かっているということです。

静岡県内の日本紅斑熱の感染者確認は、2024年初めてです。県内では過去5年で、年間5〜10例、今回の報告例も含め39件(今回を含む)が発生していて、そのうち、死亡例が3例報告されています。

県では、野山や畑などに入るときは、肌の露出を少なくし、マダニにかまれないような対策をしてほしいと呼びかけています。