静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所が政府の要請で運転を停止してからきょうで13年です。5月26日投開票の静岡県知事選でも争点のひとつとなっている再稼働に向けた動きを、就任したばかりの御前崎市長をはじめ、周辺自治体のトップはどうみているのでしょうか。

<市民団体>
「世界一危険な原発はもうこのまま動かさないで廃炉『ベットに行ってほしい』」

2024年も5月14日にあわせて、市民団体が静岡市内の街頭で浜岡原発の再稼働反対と廃炉を訴えました。また、市民団体は、同日午前、静岡県庁を訪れ、県の担当者に対して安全対策を求める要請書を手渡しました。

<菅直人首相(当時)>
「浜岡原発のすべての原子炉の運転停止を中部電力に要請いたしました」

福島第一原発の事故を受けて、浜岡原発の原子炉がすべて停止したのは、2011年5月14日。当時の政権からの要請を受けての判断でした。

あれから13年。中部電力は再稼働を目指して防波壁の整備など安全対策の強化を進めています。3、4号機は現在、原子力規制委員会による新規制基準に基づく適合審査を受けています。

では、原発の地元の新しいリーダーは、この動きをどう見ているのでしょうか。

<下村勝御前崎市長>
「(市民には原発関連の従事者も多く)再稼働ができないことに関して、いろんな思いが多分あるんだろうなという印象は持っています。ただ、安全性はみなさんの共通で必要なことだという認識ですので(規制委の審査を)丁寧に見ていくスタンスは変わらない」

一方で、こんな意見も。

<下村勝御前崎市長>
「(安全性の担保がされれば)カーボンニュートラルの観点から(原発は)効果が非常にあり、経済的な意味でも効果がありますので、そこを最初から議論を落としてしまうことは私はしたくない」

では、御前崎以外の周辺自治体の市長にも、再稼働に向けた動きをどうみるか聞きました。

牧之原市の杉本基久雄市長は、「避難計画の運用方法などさまざまな課題があり、再稼働の是非を判断する状況にない」、掛川市の久保田崇市長は「万全な安全対策が完了し市民の理解が得られなければ再稼働できない」、さらに菊川市の長谷川寛彦市長も「適合性審査は再稼働を前提としたものでないと認識しており、再稼働を考え得る状況にない」としていて、いずれも慎重な姿勢を崩していません。

完全停止から13年。再稼働に向けた道のりは、決して平坦なものではありません。