分散染料メーカーの浙江万豊化工(603172/上海)が5月10日、上海証券取引所のメインボードに新規上場した。公開価格14.58元に対し、初値は25.03%高い18.23元だった。終値は同30.86%高の19.08元だった。
 
 同社は2003年設立の民営企業で、09年に株式会社化した。中〜高級分散染料および染料ケーキの研究開発、生産、販売を主業務としている。安踏、李寧、アディダス、ナイキ、ユニクロ、デカトロンなど国内外の著名スポーツ・カジュアルウェアブランドの製品に同社の染料が使われており、中国染料工業協会の統計によると、同社の19〜21年における中国国内分散染料業界ランキングでいずれも10位以内となっている。
 
 22年12月期の売上高は5億4517万元(前期比3.28%減)、純利益は6840万元(同10.18%減)。23年1〜3月期の業績予測は、売上高が1億3327万〜1億4124万元(前年同期比0.66〜6.70%増)、会社株主に帰属する純利益は1554万〜1668万元(同1.85〜9.28%増)。
 
 新規上場に伴い調達予定の5億4800万元(約107億円)は、約66%の3億5900万元を年産1万トンの分散染料技術改良・向上プロジェクトに、約14%の7900万元を研究開発センター建設プロジェクトに、約20%の1億1000万元を流動資金の補充に用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)