19日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比207.64ポイント(1.24%)安の16529.48ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が67.94ポイント(1.16%)安の5780.21ポイントと反落した。売買代金は906億8940万香港ドルと低調が続いている(18日は957億7690万香港ドル)。
 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。米金融政策の動向が気がかり要因だ。19〜20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、政策金利見通しなどが公表される。通貨を米ドルにペッグする香港は、米金融政策の影響が大きい。結果を見極めたいとして、様子見ムードも漂った。そのほか、米中対立の警戒感もくすぶっている。ただ、下値を叩くような売りはみられない。中国当局の消費刺激策や、産業支援策などに対する期待感が支えだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が8.0%安、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が7.5%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が5.7%安と下げが目立った。理想汽車に関しては、同社初となるBEV(純電気自動車)「理想MEGA」の販売が自社予想を下回ったと伝わり、これを失望した売りが広がっている。報道によれば、3月1日に納車開始したフラッグシップモデル「理想MEGA」の販売台数は約4000台にとどまり、3月の生産見通し5000台を下回っているという。
 セクター別では、自動車が安い。上記した理想汽車のほか、浙江零ホウ科技(9863/HK)が7.7%、蔚来集団(9866/HK)が6.3%、東風汽車集団(489/HK)が5.1%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が4.3%ずつ下落した。
 半導体セクターも売られる。上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.5%安、ASMPT(522/HK)が2.9%安、中芯国際集成電路製造(981/HK)が2.4%安、華虹半導体(1347/HK)が2.3%安で取引を終えた。
 中国の証券・保険セクターもさえない。海通証券(6837/HK)が3.5%安、広発証券(1776/HK)が3.0%安、中信建投証券(6066/HK)が2.9%安、新華人寿保険(1336/HK)が2.7%安、中国人寿保険(2628/HK)が2.0%安で引けた。
 半面、石炭・石油セクターはしっかり。エン鉱能源集団(1171/HK)が1.9%、中国中煤能源(1898/HK)が0.9%、中国海洋石油(883/HK)が1.5%、中国石油天然気(857/HK)が1.1%ずつ上昇した。
 一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.72%安の3062.76ポイントで取引を終了した。証券株が安い。医薬株、銀行・保険株、自動車株、インフラ関連株、不動産株、公益株、ハイテク株の一角なども売られた。半面、エネルギー株は高い。食品・酒造株も買われている。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)