Mリーガー岡田紗佳の代名詞といえば「役満ボディ」だ。そのスタイルのよさの形容詞としてメディアではこぞってこの言葉が使用されている。グラビアアイドルとしても活動してきた彼女が自身のありのままを綴ったフォトエッセイ『おかぴーす!』より、役満ボディのメンテナンス術を紹介する。30歳を迎える彼女に訪れたメンタルの平和とは?

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「役満ボディ」のメンテナンス術


カロリー制限、糖質制限、パーソナルジム、ホットヨガ、グルテンフリーダイエット、プロテイン置き換えダイエット、コールドプレスジュースクレンズ……モデルになったばかりの頃は、巷で流行っているダイエット法を次から次へと試したものです。

しかし30歳になった今、改めて確信しているのは「ダイエットは長期スパンで取り組むもの」ということです。そもそもダイエットの本来の意味は、日常的な食事や食べ物という意味ですし、健康的なダイエットって「1か月でマイナス3kg痩せる!」といった短期的な話ではなく、長いスパンでの習慣の積み重ねだと思うのです。

そのためには我慢しすぎず、かといってサボりすぎない、自分なりの絶妙なバランスを見出すのもダイエットを成功させるカギだと感じます。

とはいえ、私も日によってはジャンクな食べ物を口にします。対局に負けた日は真夜中にピザを食べてしまうこともありますし(笑)、友だちとスイーツを楽しむのも大好きです。しかし、もともと甘いものやファストフードがそこまで好きではないためか、お腹が空いていないときには、たとえ目の前にフライドチキンがあっても惰性では口にしません。

「ジャンクフードを一切食べない!」と決めてそれを実行できる人は素晴らしいですが、なかなかできることではないですよね。そんなときは「自分があまり好きではないもの」かつ「明らかに体に良くなさそうなもの」を意識的に控えるだけでも、トータルで見れば食生活を大きく改善できるのだと思います。



体重はあまり気にしません。体重は1日のうちに簡単に1〜2㎏程度は増減するし、それは「体内の水分によるもの」だと言われています。

私が体重以上に重視しているのが、自分の体の変化に敏感になることです。たとえば食べすぎた翌朝、「体が重いな」と感じたとします。そこでお腹が空いていなければ、水分やフルーツなど良質な糖質を少し摂って完全に空腹になるまでは食べません。そういった体調の微細な変化をキャッチして、微調整を続けています。


岡田紗佳がリアルに使用しているグッズとは


すでにお話ししたように、運動アレルギーということもあり、激しい運動はしません。その代わりお腹周りにはEMSで筋肉を刺激してくれるSIXPADを愛用しています。

麻雀は頭脳戦なので、放っておくと頭や肩がガチガチに凝ってしまうので「緩める」ことは常に心がけていますね。頭皮ブラシや持ち運びできるマッサージガンなどマッサージ器具はいくつも試していますし、ホットアイマスクやCBDオイル、入浴剤もフル活用しています。

寝る前には枕元にピローミストをシュッと吹きかけてリラックスするのも「入眠の儀」になっています。

こういったセルフケアアイテムは、常に数種類を用意しています。これも「あらかじめ使うものが決められている状態が嫌」という、私の小さなこだわりかもしれません(笑)。


(左上から時計回りに)筋膜リリースのためのハンディーガン、全身ケアできるEMSリフトブラシは持ち歩きも便利。リフトアップ効果や細胞活性化してくれるという美顔器は10年以上の愛用品。SIXPADは2〜3日に1回くらいのペースで使用。

「GABAのサプリは心がざわざわするときに飲むと落ち着く気がします。CBDオイルは舌下に垂らして飲み込むタイプです」

大切なのは、我慢と余裕の絶妙なバランス


30歳を迎える今では、世間が決めた「幸せ」の枠から少しずつ自由になれた気もします。また、ムダに悩むことも減りました。こういった内面の変化が生まれたのも、年齢や経験を重ねたことに加えて、Mリーガーになって「余裕」が生まれたのも大きな理由に思えます。

ひとつは、心の余裕です。

麻雀と出合う前は、タレントとして「いつ番組に呼ばれなくなるか、わからない」「仕事がなくなったらどうしよう」といった漠然とした焦燥感がありました。麻雀プロになったばかりの頃は、当然ながら実績もなければ、自分のポジションも確立していなかったこともあり、漠然とした不安を常に抱いていました。

しかしMリーガーになってからは、たくさんの方の声援をリアルに感じられるようになり、サクラナイツの一員としても、自分の課題や立ち位置が明確になったことで、心の余裕が生まれました。

次に経済的な余裕ができたことも、内面に大きく影響したと思います。「貧すれば鈍する」という言葉があるように、どんな人でも物質的な余裕がなくなると、心の余裕がなくなるものです。



ラッキーなことに私の場合、「貧する」ことはなかったものの、モデル時代には、私服を紹介する企画ページや番組収録のために自前の衣装を用意することも多く、貯金をする余裕はほとんどありませんでした。撮影用の衣装は、プライベートで着るには、少し派手過ぎるので二束三文で手放したこともあります。

麻雀の世界では、たとえ「プロ」といっても、麻雀だけで生活していくのは厳しい、これが現実です。麻雀と別の職業の二足のわらじを履いている麻雀プロも大勢いますし、大会の出場費用で赤字になることがほとんどです。

しかし、ありがたいことにMリーグは年俸制、最低報酬も保証されているため、「たとえ仕事が少し減っても、なんとか生きていけるかな」と思える程度には生活基盤は安定しました。

つまり、お金って本当に大事ということ。「お金の話をするなんて、はしたない」という意見もあると思いますが、お金は生きていく上で欠かせないものだし、これもきれいごと抜きの真実だと思います。

もちろん、お金はあればあるほど幸せなわけではないけれど、私はめったなことでは散財しません。

思い返せば学生時代、下北沢駅前のマクドナルドでアルバイトをしていた頃は、バイト代はほぼすべて貯金に回していました。子どもの頃も、お年玉を使った思い出はほぼありません。これは「なにがなんでも100万円貯めたい!」という目標に向かって貯金していたというよりも、お金が減っていくことに不安を感じていたから、なにかと我慢していたのだと思います。我慢しただけ、通帳の残高が増えていくのも嬉しかった(笑)。

お金は大切ですが、普段の生活でケチケチするのはイヤなので、疲れていたら迷わずタクシーに乗るし、忙しいときは少し割高でもUber Eatsを頼みます。お金よりも、時間や効率を優先したいですね。

麻雀プロというと、なんだかプライベートも破天荒、というイメージを抱く方もいるようですが、少なくとも私は「あぶない橋は渡らない」タイプです。今も貯蓄や積立投資をしていますし、5万円以上する買い物はほぼしません。お金の面では堅実派だと思います。

逆説的ですが、生活や心の「余裕」を生むためにも、毎日の生活では「ちょっとした我慢」をしているのかも。私はどうしても頑張ることのほうが得意だし、なにかと我慢しがちな傾向があるのですが、我慢と余裕は絶妙なバランス関係にあるのだな、とつくづく感じています。


写真/書籍『岡田紗佳 1stフォトエッセイ おかぴーす!』より


#1 上には上がいると知ったnon-noモデル時代
#2 「モデルとして売れなかったから麻雀プロになった」といわれて


岡田紗佳 1stフォトエッセイ おかぴーす!(KADOKAWA)

岡田紗佳

2024/2/20

2,200円

192ページ

ISBN: 978-4048976985

岡田紗佳のフォトエッセイが初解禁!文章と写真がせめぎ合う攻防戦!Mリーグ、芸能界で闘い続けるプロ雀士岡田紗佳の“20代の記録と記憶”。