ストレスから暴飲暴食をしてしまったり、頻繁にSNSをチェックするようになってしまったり、必要のないものを購入しモノがどんどん増えていったり。

忙しない日々を送っていると、心に余裕がなくなって逆に無駄が多くなってしまう。そんなことはないだろうか。できる限り無駄をなくし、シンプルに生きる。
そのために必要なのが「減らす」という考え方だ。

『半分、減らす。―――「1/2の心がけ」で、人生はもっと良くなる』(川野泰周著、三笠書房刊)は精神科医であり、禅僧の著者が「半分、減らす」をキーワードとして、シンプルに、豊かに生きるためのヒントをつづった一冊。

なぜ「半分」なのか。その理由として著者は「指標としてわかりやすい」「行動変容につながる」という2つをあげている。
たとえばスマートフォンの使う時間を「半分」に減らしてみるとなったとき、厳しい目標だと感じる人もいるだろう。しかし、そのくらい思い切った意識を持つ方が、行動の変容につながる。「ちょっと」ではなく「半分」ならば、ふだんの行動もガラリと変わるはずだ。

では、「半分、減らす」コツを本書からご紹介していこう。

■いつも持っている重いカバンの中の荷物を減らす

外出時、いつも持ち物が多くなってしまうという人は少なくないだろう。パンパンになったカバンは持ち歩くだけでも疲れてしまう。

カバンから半分持ち物を減らすためには、「いつも持っているけど実はほとんど使うことがないもの」をチェックして、カバンから出しておく習慣を身につけることが有効だ。帰ってきて玄関を開け、靴を脱いだら、まずはカバンの整理から始める。念のため持って行ったけれど使わなかったものもあるはず。そうした物を省いていくことで、どんどんカバンは軽くなる。

著者は「旅も含めて移動は、身軽にしておくことがおすすめです。なぜなら荷物が軽いとその分だけ、気持ちも足取りも軽くなるからです」(本書より)と述べる。荷物は軽くしていた方が、新しい発見も増えるはずだ。

■SNSを見ている時間を減らす

複数のSNSをコミュニケーションツールとして利用している人は多い。様々な人たちの交流でき、お互いの行動や感動を共有しあったり、意見を交換したりと、SNSはまさに自分の世界を広げるツールといえるものだ。

ただ、その一方で「SNS疲れ」という言葉があるように、人間関係に疲れてしまったり、人間不信に陥ったり、逆に孤独感が深まるといった側面もある。そうならないようにするためには、まず通知機能をオフにしてみる。通知が来なければ、自分のペースでSNSを見ることができる。

また、著者はほかにも「フォローしている人の半数くらいをタイムラインに表示しない設定にする」「リアルの人間関係にヒビが入らない範囲でフォローしている人の数を半分減らす」といったことから「使っているSNS自体を半分減らす」といった、思い切った方法も提案している。

SNSは上手に付き合えばとても楽しいもの。それなのに疲れを感じてしまっているのであれば、付き合い方を変えてみることが大切だ。

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本書ではそのほかにも「仕事を減らす」「食材の買いすぎを減らす」といった減らす習慣のつけかたから、「気に入った物を、長く」「デジタル機器は“シンプル”に使う」などモノと付き合っていくときの心得などがつづられている。

シンプルで豊かな生活をするために、本書を通して「減らす」という意識をしっかり持ってみてはいかがだろうか。

(新刊JP編集部)