2024年4月3日に国立競技場で開催された浦和戦、0-1で迎えた50分に歓喜を呼び込んだのは荒木遼太郎だった。左サイドのバングーナガンデ佳史扶からのパスをエリア手前、ゴール正面で受けると、右足を一閃。最高のトラップからの最高のシュートでゴールネットを揺らしたのだ。

 痺れたのはトラップの質。止めるためのトラップではなく、シュートを打つためのトラップで、「一つひとつのプレーに意図がある」という荒木の本領が発揮されたシーンだった。

 組み立てや崩しの局面でも上手さを見せつけた荒木は試合後の囲み取材で、ゴールを振り返っている。

「カシーフからボールをもらった時に冷静に相手がプレスをかけてきた位置とキーパーの位置を見れたので、落ち着いて、練習通りに決めることができました」
 
 J1リーグの6節を終えて得点ランキング2位の5ゴール。今季開幕から“止まらない”荒木はここまで自身のプレーをどう捉えているのか。それが気になったので「出来過ぎなのか、それともこれくらいは当然なのか、どっちの感覚ですか?」と訊くと、次のような答が返ってきた。

「出来過ぎとも思いますけど、自分の実力はもっと出せると信じているので、もっともっとゴールを決めたいです」

 今オフに鹿島からFC東京に期限付き移籍してきて、この活躍である。「充実している」という荒木の言葉は本音だろう。

「みんなと良い関係を築けていて、本当に楽しくやれています」

 純粋にサッカーを楽しめているからこそのスーパーな活躍。そう捉えることもできるかもしれない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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