先日、なでしこジャパンの池田太監督にインタビューする機会に恵まれた。滅多にないチャンスなので、失礼を承知で直球質問をした。「長谷川唯選手、長野風花選手が抑えられた時の秘策はありますか」と。

 なでしこジャパンが3バック(3-4-2-1システム)で戦う場合、ボランチでコンビを組む長谷川と長野は間違いなくキーマン。左サイドの仕掛け人だった遠藤純が負傷でパリ五輪に間に合わないと想定すれば、このふたりにかかる負担はより大きいものになるはず。だから、ムッとされても仕方がないと思いつつ、ズバッと訊いてみたのである。

 すると、池田監督は頬を緩めてゆっくりと答え始めた。

「怪我とかのアクシデントで彼女たちを起用できないケースが出てくる可能性もあります。となると、特定の誰かに頼らないチーム作りをしていくことが大きなベースとしてあります」
 
 さらに問うてみる。「自分がなでしこジャパンと対戦する国の監督なら、そのふたりをマンマークで潰せと選手たちに指示すると思います」と。それに対して、池田監督は紳士的に答えてくれた。

「マンマークでついてきたら、それによってスペースが空きますし、そこを違う選手が使ったりできます。相手がどういう仕掛けをしてくるか、そこを想定しながら準備する必要があります。また、ピッチ内で選手たちが感じて相手の狙いをひっくり返すようなことも必要になると思います」

 強豪揃いのパリ五輪。池田監督の真価が問われる大会にもなるだろうか。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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