元日本代表MFの福西崇史氏が、4月3日に公開された前園真聖氏のYouTubeチャンネル「おじさんだけど、遊んでもいいですか?」の最新コンテンツに出演。自身が出場した2006年のドイツ・ワールドカップを振り返った。

 ジーコ監督が率いる当時の日本代表は、前評判が高かった。中田英寿、中村俊輔、小野伸二、稲本潤一らのタレントが名を連ね、福西氏も「期待していました」と話す。

 ところが、本番ではオーストラリアに1−3で敗れると、クロアチアと0−0で引き分け、ブラジルには1−4で完敗。グループ最下位で敗退した。

 散々な結果になってしまった理由に、福西氏は大会前の調整を挙げる。ジーコジャパンは開幕を控えた5月30日に強豪のドイツと2−2で引き分け、6月4日にはマルタに1−0で勝利した。ここで想定外の事態が起きていたという。

「ドイツ戦で、どこまでやれるかが僕らの線引きだったんです。その時にある程度上手くいった。『よっしゃ』って。でも、そこにけっこう力を使って。(6月12日の)開幕まで、また回復できるというのがあった時に、マルタ戦。本当はサブの選手がやる話だったんですよ。それが、ジーコがそのままレギュラー陣を使ったんですよ。もうヘロヘロですよ、僕ら。だから、その辺がぎくしゃくした部分の一つでもある」
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 また、気温の乱高下にも翻弄された。マルタ戦の時には雪が降るほどの寒さだったが、本番では猛暑となった。その影響で体調を崩した選手が出て、「そこの期間がちょっと、上手く行けなかったですね。コンディションもバラついたし、メンタル的なコンディションもバラついたんですよ」と回想する。

 なぜ主軸選手に連戦を強いたのか。福西氏は「ジーコに聞かないと分からないけど、良い流れで来ているから、良いペースで格下の相手に良い流れで行こうかなというのもあったんじゃないか」と推測した。

 主軸選手たちはベストなコンディションではなく、控え選手も実戦から離れて状態が落ちてしまった。福西氏はサブの重要性も感じていたという。

 4年後、南アフリカ大会で日本はベスト16に進出した。福西氏は大会前にスタメンを外された俊輔や稲本、楢﨑正剛がチームを支える役割を担ったことを挙げ、「2006年の学びもあった」とコメントした。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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