2024年4月7日、鹿島がFC東京に0-2と敗れたあと、記者席からひとりの選手を目で追った。よほど悔しかったのだろう。鹿島のファン・サポーターが待つスタンドに向かう途中、ペットボトルを地面に叩きつけたかと思えば、自分に喝を入れるかのように何か言葉を発していた。その行動がとても印象的で、ファン・サポーターの気持ちを代弁しているようにも見えた。

 前節の福岡戦に続き、FC東京戦も完封負け。フラストレーションが募ってもいても不思議はない。鹿島のファン・サポーターに挨拶を済ませた後、ミックスゾーンに現われたその選手、エースの鈴木優磨は「1点が遠いね」というひとりの記者の問いかけに「そうですね…」と答えつつ、「いい入りはしたんですけど、取れなかったですね」と続けた。

「結局は精度のところじゃないですかね。いくら崩しても、最後のパスとシュートが良くないと点は入らないので。そこの質は俺を含めて一人ひとりが高めていく必要があるかなと」
 
 コンディション面は言い訳にならないとも言っていた鈴木は、最後、こう言って締め括った。

「普通に完敗です」

 試合後の感情をパワーに変えて、次の試合に活かしてもらいたい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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