川島永嗣がジュビロ磐田へ――。今冬、レジェンド守護神の14年ぶりのJリーグ復帰が大きな話題となった。

 電撃加入から2か月。41歳の誕生日でもある3月20日、ジュビロ磐田のクラブハウスを訪れると、チームに溶け込み、充実した表情を浮かべる川島の姿があった。

「コンディションは良いですね。実戦感覚と、チームメイトとの連係も含めて、時間が経つごとに良くなっていますし、色んな面で順調に来ています」と手応えを示すなかで、さすがは海外を渡り歩いたとあって、新天地での生活にも問題なく順応しているようだ。

 直撃インタビュー最終回のメインテーマはプライベート。ピッチ外での話題を掘り下げていくと、日本代表で長年共闘した長谷部誠との関係性、生まれ育った埼玉への想いも明らかになった。

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【インタビューPHOTO】14年ぶりにJ復帰!7か国語を操るレジェンドGK川島永嗣を41歳の誕生日に直撃!
 
――日本に戻って来て、オフはどう過ごしていますか?

「休みの日は家族でどこかに出かけたりしていますね。磐田には慣れてきました。でもオフの時は磐田にあんまりいないかな。結構、どこか違うところに行っています」

――趣味は?

「趣味はなんだろうな。6か月間、所属チームがなかった時は、家でDIYなどをやっていました。家の物を直したりしていましたね」

――マイブームは?

「特にないです。サッカーが楽しくてしょうがない」

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――歌は聴きますか? カラオケに行ったりとか。

「カラオケはもうあんまり行かないですね。妻がコロンビア人のハーフなので、ラテンの曲を聴くことが多いですね。日本の曲だと昔の曲が多いかな。ミスチルっていうと、長谷部が喜んじゃうから…サザンオールスターズとかですね」

――本に限らず、バイブルはありますか? いわゆる人生の1本。

「パウロ・コエーリョの『アルケミスト』って分かりますか? バイブルというか、好きな本です。是非読んでもらいたいですね。旅をしていくなかで、色々なことに出会っていく話です」
 
――アニメ、ドラマ、映画など、映像作品は見ますか?

「ドラマはたまに見ます。テレビでやっているものというより、Netflixとか。あれ知ってますか?『TOKYO VICE』。早くシーズン2が出てくれないかなと思っています(※インタビュー後の4月6日から放送・配信開始)。出るまで長いですよね。フランスにいる時に、チームメイトに『あれ面白かったぞ』って言われて、一気に見ちゃいました」

――映像作品で言えば、『翔んで埼玉』は見ましたか? 地元与野のいじりがすごかったと思うんですけども。

「見ました。めちゃくちゃ楽しかったです。埼玉の人の心をしっかり分かっているなと思って。だいぶ面白く見させてもらいました。与野の劣等感も含めて描かれているところがすごいですよね」

――やはり埼玉は心の故郷と言いますか、愛は強いですか?

「自分が生まれ育った街なので。そういった意味では、どんなにいじられても愛は変わらないです」

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――他のスポーツは見ますか?

「常に見るわけじゃないですけど、フランスにいた時はラグビーとか。バスケやアイスホッケー、テニスもたまに。いつも見るわけじゃないけど、見るのは好きです」

――色々なスポーツを子どもに経験させる、それも海外の1つの文化なのかなと。国民性と言いますか、そういうものは感じましたか?

「親がみんな、子どもに色んなことをやらせるというのはありましたね」

――序列というか、フランスでのスポーツの人気度で言うとサッカーが一番ですか?

「ダントツですね。ただラグビー、ハンドボール、バスケも人気です。バスケはやっぱりNBAの選手を追っていたり。色々なスポーツがフォーカスされます。ロードレースなどもそうです。ツール・ド・フランスがある時とかはすごくフォーカスされて、テレビでもやっています」
 
――では、最後にお聞きします。もし誰でも会えるなら誰に会ってみたいですか?

「坂本龍馬や徳川家康など、昔の偉人に会ってみたいですね。どういうことを考えていたのかなって。今は何かをやるための材料が揃っていて、学ぶものもたくさんあって、選べるわけじゃないですか。海外の本も簡単に手に入るし、触れ合ったりできるし、話し合えるけど、昔はそういうものがないわけだから。そういうなかで、どういう考え方を持って国を作ったりしていたのかなって。広い視野を持つのがすごく難しい時代だったと思います」

――素晴らしい答えをありがとうございます。ちなみに、生きている人だと誰ですか?

「分からないですけど…久々に長谷部誠に会いたいですね(笑)」

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 これまでに数えきれないほどのインタビューを受けてきたであろう守護神は、まるでゴールを守る時のように、どっしりと構え、質問に対応。前後半と同じ45分間、時に鋭い眼差しで、時にいたずらな笑みを見せ、一つひとつ向き合ってくれた。

 それらの答えを通して感じたのは、プレー然り、語学然り、全ての根底には学ぶ意識の高さがあるということ。最も会ってみたい人は歴史を作った偉人で、その理由が「意見を交換したい」というのが、何とも川島永嗣らしい。

※第4回終了(全4回)

取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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