U-23日本代表が、パリ五輪のアジア最終予選を兼ねるU-23アジアカップの準々決勝でカタールと対戦。延長戦の末に4−2で勝利し、ベスト4に進出した。

 1−1で迎えた41分に、カタールのゴールキーパーが細谷へのファウルで一発レッド。相手が10人になったことで、完全に日本ペースになった。

 数的不利に陥ったカタールは、手も足も出ない印象だった。体力が消耗する後半は、疲労から来る足の不調で次々と選手が交代。見ていて気の毒なほどだった。

 それにもかかわらず、延長戦までもつれ込んだ。勝ったから良かったけど、もしも11人同士の戦いだったら、結果が違っていたかもしれないね。

 最も気になったのが、空中戦の対応だ。2失点はいずれも相手のヘディングシュートで決められている。0−1で敗れたグループステージ最終節の韓国戦での失点はどうだった? これもヘッドでやられている。しっかりと反省して、同じ過ちを繰り返さないでほしいね。
【厳選ショット】細谷の今大会初ゴール含む点取り合戦!日本が90分+延長戦を制して準決勝進出!|U-23アジアカップ準々決勝 U-23日本 4−2 U-23カタール
 攻撃では、引かざるを得ない相手のブロックに苦労させられた。細谷の勝ち越し点につながった縦パスを、もっと増やしてほしいね。

 マン・オブ・ザ・マッチを選ぶとすれば、藤田だろう。ポジショニングが良く、多彩な配球や的確なカバーなど、攻守にわたって貢献度が高かった。特に相手が10人になってからは、アンカーだけどトップ下のような攻撃的なプレーを見せていた。

 次戦の準決勝は、イラク対ベトナムの勝者と対戦する。日程では相手が中2日なのに対し、中3日の日本の方が有利だ。ただ、日本は120分を戦って消耗しているだろうから、アドバンテージにならないかもしれない。

 今大会の目的はパリ五輪の出場権獲得。その意味ではベスト4に残っても、まだ何も手にしていない。4位でもプレーオフ経由でチャンスがあるけど、イラクかベトナムにしっかり勝って、オリンピックへの切符を掴んでほしいね。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、78歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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