2024明治安田J1リーグ第3節が10日に行われ、北海道コンサドーレ札幌と浦和レッズが対戦した。


 ここまで2試合を消化したJ1リーグで、互いに1分1敗と未だ勝利を挙げられていない両クラブ。札幌は前節に敵地でサガン鳥栖から0−4で敗れており、ホーム初戦となる今節は大敗の払拭が求められる。対する浦和は、東京ヴェルディから終了間際に同点弾をマークしてホームで1ポイントを獲得。今シーズンより指揮を執るペア・マティアス・ヘグモ監督のもとでの初白星獲得を狙う。


 試合は、開始序盤に浦和が決定機を作り出す。2分に右サイド深くでパスを受けた関根貴大が酒井宏樹に繋ぐと、体を張ったキープからライン際の前田直輝にボールが渡る。鋭いドリブルで突破を試みた前田は、DF3枚を細かいタッチで振り切ってボックス内に侵入。そのまま左足でシュートを放つが、惜しくも枠の左へと外れてしまった。


 さらに、14分には浦和のサミュエル・グスタフソンが中盤から前線にロングボールを供給。札幌のGK阿波加俊太が果敢に飛び出してクリアするが、セカンドボールを回収した浦和がペナルティエリア右角で待つ前田に繋ぐ。そのままボックス内に運び、カットインからマーカーのタイミングを外して左足を振り抜いたものの、GK阿波加のビッグセーブによって防がれた。


 攻勢を強める浦和は、29分に左サイドの浅い位置でフリーキックを獲得すると、相手がラインを深く設定した隙を逃さずショートパスを選択。フリーの状況で駆け上がってきた渡邊凌磨がボックス内に侵入し、右足に持ち替えてシュート。ボールはDFに当たってゴールマウスを捉えたが、カバーに入った馬場晴也がヘディングで掻き出した。


 すると、31分に浦和がスコアを動かす。右サイドで得たコーナーキックから素早いリスタートを行うと、ボールを持ったグスタフソンが余裕を持ってゴール前に柔らかいクロスを蹴り入れる。ややマイナス気味のボールに対し、ワンテンポ遅れて飛び込んできた酒井が反応。キャプテンが豪快にヘディングでネットを揺らして浦和が先制に成功した。


 リードした浦和だったが、42分にアクシデントが発生。ボールがラインを割った際に、センターバックを務めるアレクサンダー・ショルツがピッチに座り込んでプレー続行が不可能に。予期せぬ形で途中交代を余儀なくされてしまった。


 対する札幌も、51分に鈴木武蔵が前線で時間を作りながらスパチョークにパスを送り、ボックス左角にポジションを取る青木亮太に展開。カットインしながら中へと切り込み、右足で思い切りよくゴールを狙うが、シュートはグスタフソンが頭でブロックする。ボールは軌道を変えて飛んでいったものの、枠の右に外れた。


 すでにショルツの負傷によって前半のうちに交代枠を使った浦和だったが、51分にもこの試合で存在感を放っていた前田が右太もも裏を負傷。またもケガによりカードを切る形となってしまう。


 70分には、途中投入の2枚が浦和の決定機を生み出す。左サイドでボールを持った松尾佑介が、小泉佳穂とのパス交換から同サイドを抜け出し、切れ味鋭い切り返しでDFを翻弄しながらクロスを供給。インスイングで送られたボールを、ゴール前で待ち受けていたチアゴ・サンタナが打点の高いヘディングで合わせる。しかし、地面に叩きつけた強烈な一撃はわずかに枠を捉えきれず。浦和がビッグチャンスを逃した。


 その後も互いにゴールへと迫ったものの、最後まで得点は生まれず試合は終了。1−0で浦和が今季初勝利を挙げた。次節、札幌は16日にホームでFC町田ゼルビアと対戦。浦和は17日にアウェイで湘南ベルマーレと対戦する。


【スコア】

北海道コンサドーレ札幌 0−1 浦和レッズ


【得点者】

0−1 31分 酒井宏樹(浦和)


【動画】酒井宏樹のヘディングによる決勝ゴール!