ヴァンフォーレ甲府は25日、サガン鳥栖よりGKコ・ボンジョが期限付き移籍加入することを発表した。両クラブの発表によると、期限付き移籍期間は4月24日から7月8日までのおよそ3カ月弱。背番号は「32」に決まった。


 現在、Jリーグは2024登録期間(ウインドー)外にあるため、本来であれば新規選手の登録はできない。だが、甲府は登録ウインドーの例外の適用に関する申請をJリーグに行い、同規則の適用が承認された上での加入であることを報告している。


 この「登録ウインドーの例外」とは、GKの選手であり、かつ、当該追加登録を望むチーム(※今回のケースは甲府)に既に登録されているいずれかのGKの選手がケガ等の特別な事情により試合に出場することができない場合において、所属リーグが認めた場合は登録ウインドー外においても選手登録が可能となる規則だ。


 甲府は23日、GK渋谷飛翔が左第2,3中手骨骨折と診断され、15日付で手術を受けたことを発表。同日、GK河田晃兵も左半腱様筋損傷と診断されたことを伝えていた。渋谷に関しては14日に行われた2024明治安田J2リーグ第10節ロアッソ熊本戦(3−3)で負傷し、全治まではおよそ約2カ月を要する見込み。河田については12日付のトレーニングで負傷し、約4週間から6週間の離脱を強いられるという。


 2024明治安田J2リーグで開幕から4試合に出場していたGK河田、そして第5節いわきFC戦(1−1)から負傷した熊本戦まで6試合連続でゴールマウスを守っていたGK渋谷がともに戦列を離れることが決まり、甲府はGKの頭数が不足する自体に陥っていた。渋谷が負傷した熊本戦では、前半途中からGK山内康太がゴールマウスを守り、続く20日の第11節ザスパ群馬戦(○4−1)にも出場。同試合の前日にはU−18所属のGK宮下翔を第2種登録し、群馬戦はその宮下が早速バックアッパーとしてベンチに座っていた。


 渋谷、河田の負傷に伴い、現在起用可能なGKが山内、宮下の2名のみとなっていたため、甲府は上記の「登録ウインドーの例外」の適用に関する申請をJリーグに行い、無事に承認されたという流れだ。前記の通り、期限付き移籍期間はおよそ3カ月弱と短くなっており、今回のコ・ボンジョの加入は“緊急補強”と呼べるもの。なお、甲府はコ・ボンジョの登録にあたり、規約に即して現在負傷中のGK渋谷の登録抹消の申請も実施したという。登録は抹消されるものの、渋谷は今後も変わらず甲府の選手で、第2登録期間が開く7月8日には再登録が可能となる。


 新たに甲府に加わるコ・ボンジョは2002年2月15日生まれの現在22歳。大韓民国出身で、身長191cm、体重82kgの大型GKだ。母国の龍仁大学校を卒業後、2023年に鳥栖へ入団。これまでに鳥栖では公式戦のピッチに立てていない。


 今回の決断を受け、コ・ボンジョは鳥栖を通してコメントを発表。「この度、ヴァンフォーレ甲府に期限付き移籍することになりました。この移籍は自分自身をさらに成長させるための決断です。サガン鳥栖のプライドを持ち、もっと成長した姿で帰って来れるよう全力で戦ってきます」と語った。


 同時に、“異例”の期限付き移籍で加入する甲府を通しては、「サガン鳥栖から期限付き移籍できましたコ・ボンジョです。ヴァンフォーレ甲府の勝利に貢献出来るよう、努力を惜しまず全力で戦いたいと思います。応援よろしくお願いします」と意気込んだ。


 現在、鳥栖は2024明治安田J1リーグ第9節終了時点で、2勝1分6敗の勝ち点「7」で17位につけている。一方、甲府は2024明治安田J2リーグ第11節終了時点で、5勝3分3敗の成績で勝ち点「18」を積み上げ、現在は昇格プレーオフ出場圏内の5位につけている。



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