AFC U23アジアカップ カタール2024の準決勝が29日に行われ、U−23日本代表はU−23イラク代表に2−0で勝利した。試合後、センターバックでコンビを組んだDF木村誠二(サガン鳥栖)とDF高井幸大(川崎フロンターレ)がフラッシュインタビューに登場し、パリオリンピック2024(パリ五輪)の出場権を獲得したことを受けて喜びの声を届けた。


 試合は序盤からU−23日本代表が主導権を握ると、28分には藤田の浮き球パスで抜け出したFW細谷真大(柏レイソル)が、巧みなターンから右足で先制弾を沈める。前半終了間際の42分には、DF大畑歩夢(浦和レッズ)の粘りから、ボックス手前で前を向いた藤田がダイレクトで繋ぎ、最後は荒木遼太郎(FC東京)が追加点を決めてみせた。


 後半に入るとU−23イラク代表が前への意識を強め、U−23日本代表としては難しい時間もあったが、GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ/ポルトガル)を中心に無失点で凌ぎ切る。いくつかあったチャンスでトドメを刺すことはできなかったが、しっかりと2点のリードを守り切り、決勝進出が決定。8大会連続となる五輪出場を決めた。


 試合後、木村は五輪出場を決めたことを受けて「パリの出場権獲得を目指してこの大会に来たので、率直に嬉しい気持ちでいっぱいです」と心境を明かす。高井も「同じく本当に嬉しいですし、頑張ってきて良かったなと思います」と喜んだ。


 今大会、グループステージの3試合ではすべてセンターバックの組み合わせを変えていたが、決勝トーナメントへ進出してからは木村と高井で固定。25日に行われたU−23カタール代表戦(○4−2)から、2試合連続でコンビを組んでいた。木村は高井とのコンビで意識していたことについて「僕らがボールを持てる時間が多いという試合がたくさんあるなかで、僕らはリスク管理を徹底して、なんとか失点を0にしたいという話をしていました」と明かすと、「今日も無失点に抑えられましたし、良い守備ができたかなと思います」と高井とのコンビに手応えを示した。


 また、今大会の木村はセットプレーから2得点を記録。第2節のU−23UAE代表戦でチームを勢いに乗せる先制点を決めると、カタールとの準々決勝でも、1人少ない相手に逆転を許した後で貴重な同点ゴールを叩き込んでいた。木村は「セットプレーは(コーチの)羽田(憲司)さんを筆頭に、みんなで考えて毎回練習していることなので、それをうまく実行できたということだけです。僕だけの力ではありません」と謙虚に言葉を紡ぎ、「2得点とも(山本)理仁から良いボールが入っているので、理仁に感謝をしたいです」とキッカーを褒め称えた。


 続けて、「今日はコーナーキックの1本目で、どフリーなのに外してしまったので、あれを決めていればまだ真大より得点数が上だったのになとは思います(笑)」と正直な思いも口に。「次の試合も出ることになったら、また得点も狙っていきたいなと思っています」と意気込むと、得点について問われた高井も「マジで欲しいっす」と笑顔で繰り返し、大会初ゴールへの意欲を露わにしている。


 この後、U−23日本代表は現地時間5月3日、優勝を懸けてU−23ウズベキスタン代表と対戦する。木村は「僕らはずっと優勝を目指してこの大会を戦ってきているので、最後まで23人全員で戦って、優勝をもぎ取って帰りたいと思います」と意気込み。試合は日本時間で3日の24:30(4日の0:30)にキックオフを迎える。



【ゴール動画】前半に細谷真大&荒木遼太郎がゴール!若き日本代表がイラク撃破