日本時間2023年5月31日、アメリカの民間宇宙企業アクシオム・スペースによる国際宇宙ステーション(ISS)滞在ミッション「Ax-2」のクルーを乗せたスペースXの宇宙船「クルードラゴン “フリーダム”」が無事帰還しました。【2023年6月1日10時】

【▲ スペースXの回収船「メーガン」に引き上げられたクルードラゴン宇宙船「フリーダム」(Credit: SpaceX)】

【▲ スペースXの回収船「メーガン」に引き上げられたクルードラゴン宇宙船「フリーダム」(Credit: SpaceX)】

Ax-2はアクシオム・スペースによるISS滞在ミッションで、クルーはすべて民間人で構成されています。参加したのはアメリカのペギー・ウィットソン(Peggy Whitson)さんとジョン・ショフナー(John Shoffner)さん、サウジアラビア出身のアリ・アルカルニ(Ali Alqarni)さんとラヤナ・バルナウィ(Rayyanah Barnawi)さんの4名です。

4名が搭乗したクルードラゴン宇宙船を乗せた「ファルコン9」ロケットは、米国フロリダ州のケネディ宇宙センター39A射点から2023年5月22日6時37分(日本時間・以下同様)に打ち上げられ、同日22時12分にISSの「ハーモニー」モジュール上方にドッキングすることに成功。ウィットソンさんたちはISS第69次長期滞在クルーの7名と合流し、ISS滞在中に様々な実験やSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)分野のアウトリーチ活動などを行いました。

【▲ メキシコ湾に着水したクルードラゴン宇宙船「フリーダム」と、スペースXの回収船「メーガン」(Credit: SpaceX)】

【▲ メキシコ湾に着水したクルードラゴン宇宙船「フリーダム」と、スペースXの回収船「メーガン」(Credit: SpaceX)】

帰路につく4名が搭乗したクルードラゴン宇宙船は、2023年5月31日0時5分にISSから離脱し、半日後の同日12時4分にフロリダ半島沖合のメキシコ湾へ着水することに成功しました。アクシオム・スペースによればAx-2ミッションのISS滞在日数は8日間で、地球を126周し、333万1440マイル(約536万km)を飛行しました。

2回目の民間主導ISS滞在ミッションとなったAx-2では、幾つかの記録が打ち立てられました。かつてアメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士だったウィットソンさんは女性宇宙飛行士による合計宇宙滞在日数の最長記録保持者でしたが、今回のミッションを通して自らの記録を更新し、合計日数を675日に伸ばしました。アルカルニさんはサウジアラビアで初めてISSを訪れた人物、バルナウィさんはサウジアラビアで初めて宇宙に行った女性になったということです。

【▲ 引き上げられたクルードラゴン宇宙船の船内で手を振るAx-2ミッションのクルー。スペースXのライブ配信から(Credit: SpaceX)】

【▲ 引き上げられたクルードラゴン宇宙船の船内で手を振るAx-2ミッションのクルー。スペースXのライブ配信から(Credit: SpaceX)】

 

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Image Credit: SpaceX Axiom Space - Ax-2 Mission - News

文/sorae編集部