こちらは「うしかい座(牛飼座)」の方向約2億4000万光年先の渦巻銀河「UGC 9684」です。明るい輝きを放つ棒状の中心部と、明確な渦巻腕(渦状腕)は見られない円盤部、その周りを取り巻くぼんやりとしたガスの輝きが捉えられています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「UGC 9684」(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick)】【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「UGC 9684」(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick)】

UGC 9684では大質量星が起こすタイプの「II型超新星」とみられる超新星「SN 2020pni」が2020年7月に見つかりました。II型超新星は進化した大質量星内部の核融合反応によって鉄のコア(中心核)が生成されるようになった頃、核融合のエネルギーで自重を支えることができなくなったコアが崩壊し、その反動によって恒星の外層が吹き飛ぶことで爆発に至る現象だと考えられています。

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータをもとに作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡によるUGC 9684の観測は、II型超新星が発生する環境をより深く理解するための研究の一環として2023年3月に実施されています。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、欧州宇宙機関(ESA)から2024年5月6日付で公開されています。

 

Source

ESA/Hubble – A star forming factory

文・編集/sorae編集部