GⅠ馬4頭、豪華メンバーが集結!

有力GⅠ馬の成績,ⒸSPAIA


5週連続でGⅠが開催される東京競馬場。第2週は超豪華メンバーが揃ったヴィクトリアマイルが行われる。

今年は高いレベルでの大激戦が予想されるが、なかでもGⅠ馬4頭からは目が離せない。はじめに芝GⅠとマイル戦での成績を振り返ってみたい。

スターズオンアース 芝GⅠ成績【2-1-1-0】 芝1600m成績【1-2-1-0】
スタニングローズ 芝GⅠ成績【1-1-0-1】 芝1600m成績【2-0-1-2】
ソダシ 芝GⅠ成績【3-0-1-2】 芝1600m成績【4-0-1-0】
ソングライン 芝GⅠ成績【1-1-0-2】 芝1600m成績【3-1-1-2】

まず、昨年に牝馬二冠を達成したスターズオンアース。デビュー以来ここまで馬券圏外なしという安定感。そして東京での【2-1-1-0】という成績は馬券の軸として信頼できる。前走の大阪杯も2着に敗れたとはいえ、一頭次元の違う脚で追い込んできた。

前走大阪杯からはグランアレグリアが2021年に挑戦し1着となっている。心配なのはマイル実績。桜花賞を制するまではクイーンCとフェアリーSで2着、1勝クラスの赤松賞で3着と勝ち切れていない。成長分を加味しても、オークスの鮮やかな勝ち方や、前走のレース内容などを見ると少々マイル戦は忙しい印象を拭えない。

次に秋華賞でスターズオンアースを破ったスタニングローズ。オークス2着、秋華賞1着と実績は世代トップクラス。エリザベス女王杯は重馬場の影響か、明らかに道中から手ごたえが悪く、直線は全く伸びず14着大敗だった。前走の中山記念は5着も勝ち馬からは0.2秒しか離されておらず、気にすることはなさそうだ。

この馬の場合もスターズオンアース同様、距離が短い可能性がある。マイル戦で2勝をあげているが、未勝利戦と1勝クラスでの成績で、重賞ではサウジアラビアRCの3着が最高。近10年の勝ち馬を見ても、桜花賞で善戦していた馬か、マイルGⅡ以上の重賞で結果を残していた馬がほとんど。唯一の例外はマイル戦1戦1勝、距離短縮で挑んできたノームコアのみ。週末は雨が降る可能性もあり、天気も含めて気がかりな点がある。

ソダシは2021年の桜花賞馬で、昨年のこのレースの勝ち馬。芝のマイルで敗れたのは昨年のマイルCS3着のみで5戦4勝。この条件なら心配はいらないだろう。

最後にソングライン。昨年の安田記念を制していて東京芝コースで【3-2-0-1】と好成績だが、唯一の馬券圏外が昨年のヴィクトリアマイル。過去にも桜花賞15着からNHKマイルC2着。ヴィクトリアマイル5着から安田記念1着など、大舞台では1度使われてからの方が結果を残すタイプで、次に走るであろう安田記念の方で狙ってみたい存在だ。


ソダシvs4歳GⅠ馬の戦い!?

有力馬の主な成績,ⒸSPAIA


次にソダシを中心にスターズオンアース、スタニングローズの3頭を掘り下げてみたい。まずは昨年の勝ち馬ソダシ。先にも紹介したが、芝のマイル戦は【4-0-1-0】で複勝率100%。ダートのフェブラリーSでも3着に好走していて、マイル適性は疑う余地もないだろう。

2000mの札幌記念を制しているが、この時は斤量52kgが味方したと考える。不安要素を挙げるなら、これまで14戦して上がり3ハロン最速を記録したのがデビュー戦の1回のみ。上がり2、3位の数字もそれぞれ1回ずつしかない。早め先頭で後続を封じるレーススタイルということもあるが、圧倒的1番人気に支持されながらイズジョーノキセキの末脚に屈した府中牝馬Sのように、切れ味のある差し馬に敗れるケースがある。

続いてスターズオンアース。桜花賞を境に一気に本格化した印象のある本馬。複勝率100%という響きは魅力的だが、牝馬限定戦では【2-2-2-0】と意外にも勝ち切れていない。とは言え、近3走は全て上がり3ハロン1位。オークスは33.7秒(2位が34.0秒)、秋華賞は33.5秒(2位が33.9秒)、大阪杯は34.4秒(2位が34.9秒)と抜けた数字を叩き出している。まさに打倒ソダシの筆頭格はこの馬だろう。

スタニングローズはこれまで【5-2-1-4】の成績だが、混合戦で【2-1-1-3】、牝馬限定戦で【3-1-0-1】となっている。同世代との戦いが中心だったにせよ、条件変わりは好転の予感がする。


種牡馬&騎手別データ 東京マイル巧者は誰だ!

有力馬の父と騎手の東京・芝1600m成績,ⒸSPAIA


2013年5月4日から2023年5月7日までに東京競馬場の芝1600mで行われたのは710レース。まずは3頭の種牡馬別成績を見てみよう。

スターズオンアース(父ドゥラメンテ)【13-12-8-67】
スタニングローズ(父キングカメハメハ)【33-33-23-261】
ソダシ(父クロフネ)【16-16-5-93】

参考までにトップはディープインパクトで【127-89-74-547】で勝率15.2%、連対率25.8%、複勝率34.6%となっている。これに迫るのがドゥラメンテ産駒。勝率13.0%、連対率25.0%、複勝率33.0%と遜色ない数字だ。

キングカメハメハ産駒は勝利数こそ全体4位も、勝率9.4%、連対率18.9%、複勝率25.4%と率の面では見劣ってしまう。クロフネ産駒は勝率こそ12.3%とドゥラメンテ産駒とほぼ変わらないが、3着数が少なく複勝率28.5%と、30.0%を切る結果になっている。

次に騎乗予定の騎手成績を見てみたい。
スターズオンアース(C.ルメール)【92-57-39-139】
スタニングローズ(坂井瑠星)【3-0-1-39】
ソダシ(D.レーン)【16-7-5-32】

C.ルメール騎手が府中のマイルでは独壇場で、勝率28.1%、連対率45.6%、複勝率57.5%。2位の戸崎圭太騎手が【64-53-46-288】の勝率14.2%、連対率25.9%、複勝率36.1%なのでいかに抜けた数字なのかが分かる。スターズオンアースとはコンビ結成後の3戦すべてで強烈な末脚を披露しているだけに、本命はこの馬になるだろう。

ソダシと初コンビを組むD.レーン騎手も勝率26.7%、連対率38.3%、複勝率46.7%とハイアベレージ。ちなみに東京競馬場で行われた近10年間のGⅠだけに絞ると、

C.ルメール【18-12-4-25】勝率30.5%、連対率50.8%、複勝率57.6%
D.レーン【1-2-2-12】勝率5.9%、連対率17.6%、複勝率29.4%

とC.ルメール騎手の信頼度がグッと増す。当日の天気と馬場状態が気になるところだが、今回はスターズオンアースに最も注目したい。

ヴィクトリアマイル有力GⅠ馬のデータ,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
高橋楓
秋田県出身。競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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