OP戦15試合で21盗塁をマーク

オープン戦も終盤に入り、各チームいよいよ開幕へ向けて仕上げの段階に入ってきた。3月20日時点で昨季日本一に輝いた阪神が意外にも2勝12敗1分けの最下位に沈んでいるが、意外な成績を残しているチームがもう1つある。ここまで12球団トップの21盗塁をマークしているDeNAだ。

昨年のチーム盗塁数は33で12球団最少。成功率.559も12球団ワーストだった。さらに、過去5年間で4度リーグ最少となるなど盗塁に苦手意識のあったDeNA。だが、このオープン戦では試合数(15)を上回る盗塁数を記録している。

【過去5年間のチーム盗塁数】

2019年 40(6)
2020年 31(6)
2021年 31(6)
2022年 49(5)
2023年 33(6)
※()内はリーグ順位

各選手別にここまでの盗塁数を見ていくと、ルーキーの石上泰輝が4個でトップ。同じく新人の度会隆輝に、林琢真、西巻賢二の3人が3個で続いている。いずれの選手もここ2年で入団したばかりの選手たちで、俊足が売りの選手を積極的に獲得してきたことがここまでのオープン戦の結果につながっているようだ。

1997年の西武以来のシーズン200盗塁も達成可能?

急激に盗塁数が増加した理由はそれだけではない。昨季まで楽天で一軍野手総合兼外野守備走塁コーチを務め、36盗塁で自身初の盗塁王に輝いた小深田大翔の走塁も指導していた佐竹学氏を走塁アナリストとして招へい。今季からチーム全体での改革に乗り出している。

また、チーフ打撃コーチだった石井琢朗コーチには、走塁コーチの肩書が加わった。2月の春季キャンプでは盗塁練習の時間もしっかりと確保。石井コーチがマウンドに上がって投手役を務め、盗塁のスタートに磨きをかけていた。

その効果が早くもオープン戦で結果として表れているというわけだ。少し気が早いが、もしレギュラーシーズンでも同様のペースで盗塁数を積み重ねることができたとしたら、143試合でちょうど200盗塁となり、1997年の西武以来の大台に到達する計算になる。

ただ、過去の記録を遡ると、DeNAはこれまでチームとしてそこまで走塁に力を入れてこなかったのか、100盗塁以上を記録したのも前身の大洋時代の1991年(130個)だった。実に32年間記録しておらず、12球団で最も遠ざかっている。そんなDeNAがチームとして走塁改革に乗り出した今季、プロ野球版“機動破壊”を見せるのか注目だ。

【各球団の直近で100盗塁を達成した年度】

楽天     2023年 102個
阪神     2022年 110個
ロッテ    2022年 132個
オリックス  2019年 122個
ソフトバンク 2019年 113個
西武     2019年 134個
広島     2017年 112個
日本ハム   2016年 132個
巨人     2014年 102個
ヤクルト   2009年 106個
中日     2005年 101個
DeNA     1991年 130個

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