エイベックスに所属する俳優陣の集い場として、新たに発足した「ACTORS STAND」。その第1弾作品として、2024年4月17日(水)〜21日(日)に、赤坂レッドシアターで大野大輔氏の脚本・演出による『無垢ども』が上演される。

本舞台は、主人公・遠山一華(平美乃理)を取り巻く多様性豊かな学生キャラクターたちに、表裏の激しい極悪な生徒会長・神宮寺紗英子(花音)とその用心棒で無口な武闘派・久松京子(福山絢水)、そして全学闘争委員会の委員長・伊吹亘(中山優貴)のほか、ヘタレないじめっ子・井岡(桑畑亨成)と筋肉バカのいじめっ子・井本(佐藤颯人)が名を連ねている。

そんな多様性豊かな学生らに翻弄される大人たちに、利己的な教諭・松崎(松村優)とカウンセリングルームに常駐する臨床心理士・松尾(高柳明音)、そして一華の師となる人間不信の猟師・徳田(砂川脩弥)をはじめ、本作にゲスト出演することなった瀬尾タクヤが警官・リポーター・ニュースキャスターの3役に挑む。

今回は、SOLIDEMOのメンバーとしてメジャーデビュー後、俳優としてドラマ『下町ロケット』、舞台『おそ松さん on STAGE〜SIX MENS SHOW TIME〜』や、『青山オペレッタ』シリーズに出演する中山優貴と、『仮面ライダーゼロワン』で注目を浴び、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズや『弱虫ペダル』シリーズに出演する砂川脩弥にインタビューを敢行。

ともに舞台を中心に活躍の幅を広げ、人気を博す中山と砂川に、『無垢ども』への意気込みを聞いた。

左から 中山優貴、砂川脩弥

左から 中山優貴、砂川脩弥

――この度は、ACTORS STANDの第一弾公演となる『無垢ども』へのご出演、おめでとうございます!

中山&砂川:ありがとうございます!!

――昨年は、中山さんと、砂川さんは舞台で共演されたのですね?

中山:はい!そうなんです。去年の11月から公演があった『鬼神の影法師』の時に初めて共演しました! 実は、まだ2ヶ月くらいしか経っていないもんね(笑)。

砂川:そうですね。前回共演の時は、すごく濃い期間を過ごさせていただいて、とっても楽しかったです!(笑)

中山:前回の舞台の時も、2人でコンビみたいな感じだったので、今回も共演出来てとても嬉しいです。

砂川:僕も嬉しいです!(笑)

――仲の良さが伝わりますが、お互いの印象はいかがでしょうか?

中山:脩弥の印象は、良い意味でマイペースですね(笑)。

砂川:”良い”意味で良かったです(笑)。

中山:自分の時間がちゃんとあって、他に惑わされないというか。根っこから、自分を持っている人で、特に惑わされないというか。

砂川:確かに、自由に生きています!(笑)

中山:自分を作り込んで芯がある、という人もいると思うんですけど、脩弥はそうではなく、元々芯を持っているというか。特に何も意識しなくても、脩弥らしさが出ているなと。

砂川:良いのか悪いのか。。(笑)

中山:めちゃめちゃ良い意味ですよ!(笑)

中山優貴

中山優貴

――そんな砂川さんから見た中山さんの印象はいかがでしょうか?

砂川:僕がイケ家に所属していた時から、優貴さんのことはずっと拝見していました!一方的に!(笑)

中山:何、一方的にって!(笑)

砂川:優貴さんは、本当に身長が高くて、スタイルが良くて。舞台『鬼神の影法師』で稽古に入った最初の時から、優しそうな人だなと思っていました。本当に柔らかくて優しい人だし、芝居中も良い顔するんですよ! 僕が言うのも何なんですけど(笑)。だから、稽古から本番含めて、すごくやりやすかったです。

中山:面と向かって言われると、照れますね。。(笑)

――今回のカンパニーでは、お二人が年次としても先輩になるのではないかと思いますが、稽古への意気込みなどはありますか?

中山:稽古の良い雰囲気は高柳さんが作ってくれると信じています(笑)。

砂川:先輩が!(笑)

中山:高柳さん、めっちゃ面白い方なので(笑)。

中山:また、今回の舞台が男女混合になりますが、僕が今まで出させていただいた舞台は男性キャストのみのことが多くて、女性と一緒に舞台に立って演技をすることをあまりやっていなかったので、どんな感じになるのかなと楽しみです。主演の平さんは、まだ19歳ですもんね。19歳の子と、どんな話をすれば良いんですかね?(笑)干支が一周違うからね。。

砂川:僕たちも、色々勉強させてもらえるかなと思っていて、「今、何流行ってんの〜?」って聞くと思います(笑)。

中山:絶対聞くよね!(笑)

砂川脩弥

砂川脩弥

――ありがとうございます!ここからは、具体的に舞台についてお聞きします。中山さんが演じられる"伊吹亘"と、砂川さんが演じる"德田"ですが、お二人はご自身でどのような役どころだと捉えられていますか?

中山:そうですね。伊吹は、自分の芯がしっかりあるなと。今の時代、生きていると流されたりすることも多いと思うんですけど、この伊吹という役は、自分が思っていることは正しい、主張をして誰に何を言われていても、こうはこうだ!と一個芯で強く持っているキャラクターなのかなと思います。人間っぽさというのがところどころ垣間見えて、2面性というか、強いだけじゃなくて、弱い部分も若干あったりする人間らしさもあって、そういうところをどう表現していこうかなと考えています。

砂川:僕が演じる"德田"は、物語のメインとなる、学校の討論会とは少し外れた場所にいるようなキャラクターなので、学園ものがメインだとして、物語の中で、一種のスパイスになれたらいいなと思っています。だからこそ、今までやってきた舞台よりは、より緊張感があるのですが、僕が箸休めのような役どころになることが出来たら良いなと思っています。德田は、猟師をしていて、そもそも猟師役というのが、自分の経験上なかなかないので楽しみです。德田は、より人間味があるのかなとすごく思っています。

――本舞台全体を通したテーマや、お二人が感じる魅力はどんなところにありますか?

中山:基本はテンポ感というか、ポンポン進んでいくと思います。テンポが良く進んでいく分、内容をしっかり伝えていかないと、流れていってしまうと思うので、"伝える"ということがとっても大事になっていくのかなと。本当に全員個性が強いので、良い相乗効果で舞台を作り上げていけたらなと思っています。

砂川:僕が台本を読んで、率直に感じたことは、知らない言葉がすごく多かったんです。魚は食べるけど、お肉は食べない"ペスカタリアン"だったりが出てきたりして、「あ、そういう言葉もあるのか!」と。勉強になるというか、世の中でまだ知らなかった言葉がたくさん出てきたんです。知ろうとしていなかった自分もいたのなかと思ったり、色々と悩んでいる人などもいるなあと思って、そういう意味では台本の中に世の中に伝えたいメッセージが詰まっている作品なのかなと思いました。

中山優貴

中山優貴

――エイベックスの俳優陣で創り上げるプロジェクトになりますが、同じ事務所の仲間たちと作れるということに関してはどのように受け止められていますか?

中山:シンプルに今回のような場があることはすごく良いことだなと思って、そこに参加させていただけることが嬉しいです。同じ事務所で役者同志だとしても、共演をしないとなかなか接点を持てなかったりしますが、今回の作品は、エイベックスの役者やタレントが創り上げるということで、キャストとスタッフ含めて会社一丸となって、どんどん盛り上げていけたらなと思います。

役者だけでなく、各々がお世話になっているスタッフさんが見に来てくれたり、この舞台に関わってくださっていたりすると思うので、どんどん社内でも自分をアピール出来るチャンスかなと捉えています。社内の方と知り合えたり、濃くなっていける時間でもあるので、舞台だけでなく、そういったところも深めていけたらなと思います。

砂川:今回、ACTORS STANDというプロジェクトは、舞台に初めて挑戦する方とか、優貴さん(中山)のように何回も舞台に出られている人が一緒にエイベックスというチームで作っていくことになるので、僕も舞台を中心に活動をしているので、何か少しでも勉強になってくれたら良いなというのもあって。初めての舞台となると、きっと悩んだり、迷ったりすることが出てくると思うのですが、そういうのを僕は見捨てずにというか、チームとしてしっかりと支えていけたらなと思っています。そして、仲間なので僕も恥ずかしがらずにプライドを取っ払って聞きたいことは聞いて、吸収したいことは吸収して、支えてもらうという気持ちも持っています!

――今作で出演する9名のエイベックス所属の俳優陣で初めましての方もいらっしゃいますか?

中山:僕は、面識があるのが脩弥くらいで、ほとんどの方が初めましてになります! 若い方々は、今までなかなかご一緒することがなかったので、今回すごく楽しみです。

砂川:はい! たくさんいます。女性陣で以前から知っていたのは高柳さんだけで、男性陣は優貴さん(中山)と桑畑くんと松村くんですね。いつの間にか、年次も上の方になってきていて、「あれ、下の方だったのになあ」と、思うところもあります(笑)。僕が経験してきたことだけでも、伝えられたらなと思っています。

砂川脩弥

砂川脩弥

――鬼才と呼び声高い"大野大輔氏"が脚本・演出を手掛けられますが。

中山:大野さんのように、様々なジャンルで活躍をさせている方とご一緒出来ることは嬉しく思います。大野さんならではの映像っぽい演出だったりとかを、舞台に投影していくやり方とか、勉強になることがたくさんあると思うので、色んなところを盗んでいきたいです。

砂川:僕も、大野さんは素晴らしい映像作品を手掛けられている方で、映像の方という印象を持っています。大野さんの書かれた台本を読んだ時に、テンポ感というのが、すごく映像っぽいなと思って、映像でよくやってきたからこそ出来るテンポ感なんだなと。そこを感じて、よりこの舞台はテンポ感が大事になってくるんだろうなと思いました。この舞台は基本、会話劇で進んでいくので、それは役者の力もあるとは思うんですけど、大野さんの演出で、お客さんが物語に集中出来る見やすい舞台になっていくのかなと思っています。僕は、大野さんを信じてついていくだけだと思っています。

――お二人は2024年の年明けから既に様々な作品に出演されていますが、今年のご自身の活動を振り返ってみていかがでしょうか?

中山:はい!有り難いことに、今年に入ってからも、舞台だったりイベントだったりをかなりやらせてもらっているので、すごく充実しています。色々な舞台に出させていただいた経験を、今回の作品でもしっかりと表現していけたらいいなと。今月出演させていただく舞台『青山オペレッタ』は、『無垢ども』の稽古期間と重なっていたりもするんですけど、どちらの作品にも違った良さがたくさんあると思っているので、その舞台その舞台の良さを、僕自身出していけたらなと思います!

砂川:今年は、1月に『ブラッディメアリー』に出演させていただいて、『無垢ども』で3本目になります。自分としては嬉しいことですし、役者として今年さらにレベルアップしていけるのではないかと思っていますが、慢心せずに、1つ1つの作品に愛を持ってやっていけたらなと思います。

左から 砂川脩弥、中山優貴

左から 砂川脩弥、中山優貴

――最後に本作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします!

中山:『無垢ども』は、テンポ感が良かったりだとか、世の中にあるタイムリーな話題なども入っていたりだとか、思っていたけど口に出せていなかったようなことがこの舞台では展開されていったりすると思うので、若い役者さんもたくさん出演するので、すごくフレッシュな舞台が観られると思います。新年度一発目に相応しい舞台になっていると思いますので、是非、劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです!

砂川:『無垢ども』は、ストレートの作品ですが、僕自身、実は、そんなにストレート作品の経験がないんです。だからこそ、戸惑う部分や苦労するところもたくさんあるとは思っているんですけど、この作品で、自分にしか出来ない"德田"を、皆さんにお届けしていきたいです!『無垢ども』のメッセージ性みたいなものも、この台本から汲み取って伝えていきながら、お客さんが楽しかったと思ってもらえるような舞台にしていきたいです。