『EIGHT BALL FESTIVAL 2024』ウルフルズ

SOLID STAGE前半の締めくくりに姿を表したのは、『EIGHT BALL FESTIVAL』出演者で最長キャリアを誇る、我らがジャパニーズ・ソウル&ファンクバンド、ウルフルズだ。

ウルフルズ

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2022年にデビュー30周年の大きな節目を迎え、近年は特にお祭りムードが強かった中、この日はその勢いをさらに拡大! 真っ白なスーツでキメたトータス松本(Vo.Gt)が、「エブリバディ、セイ! イェイ!」と扇動すれば、初っぱな「バカサバイバー」から広大なSOLID STAGEを一気に掌握。破顔しながらプレイするジョンB(Ba)の極太リズムで、あおらずともフロアからはたくさんの手が伸び、その場にいる全員でライブを作り上げていく感覚は彼らのステージでしかなし得ないものだ。

ウルフルズ

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続く「ええねん」では、桜井秀俊(Gt、真心ブラザーズ)が快走するギターソロで魅せ、多幸感はあふれんばかり。お約束の「金の切れ目は?」(トータス松本、以下同)の呼びかけに「縁の切れ目!」と応える「借金大王」と、てんこ盛りの鉄板ナンバーを喰らい、ウルフルズの無敵の求心力に改めて驚かされるばかりだ。

ウルフルズ

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MCでは、「この後は04 Limited Sazabysや10-FEETと、すごいバンドが続くね。ちゃんとステージを温めないと! 頑張ります」と、気合を入れ直したトータス松本。このすさまじい一体感を生み出してなお、まだまだてっぺんではないというのだから本当に底知れない。そんな表明に続けたのは、ミディアムテンポの大名曲「笑えれば」。瞬時にシンガロングが巻き起こり、大観衆の心を掴むさまは圧巻というほかない。

ウルフルズ

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浦清英(Key)の歌うような鍵盤の音色で、曲が持つドラマを何倍、何十倍にも増幅させていき、さらに「ガッツだぜ!!」で会場のテンションは天井突破! サンコンJr.(Dr)の放つ渾身のドラミングで、コンベックス岡山をダンスフロアへと塗り替えていく。そんなめくるめくファンクショーの極め付けには、歌い始めから大歓声が沸いた「バンザイ〜好きでよかった〜」! 歌心ある歌唱と色鮮やかなアンサンブルが、みずみずしく心に染みわたっていく。「イイ感じに温まったかな? また来ます。また呼んでください!」と再会を約束してくれた彼ら。この上ないパフォーマンスで身も心も解きほぐしてくれたウルフルズに拍手!

取材・文=後藤愛 撮影=藤井拓