鈴井貴之の演劇プロジェクト「OOPARTS(オーパーツ)」が、2024年6月末に閉館となる道新ホールへ感謝と惜別の気持ちを込めた企画「ありがとう道新ホール」の一環として上演する、オール北海道で創り上げる特別公演『天国への階段 北海道re-mix』。一般発売開始に合わせて、メインビジュアルが発表された。

今や社会問題になっている孤独死の現場を清掃し遺品を探す特殊清掃員たち。今回の現場は、死後3ヶ月以上経ったアパートの一室。顔を背けたくなるほどの悪臭と部屋中を這い回る夥しい数の虫。そんな過酷な状況下での仕事ぶりを取材し、それぞれが抱えた様々な事情を炙り出そうとするテレビクルー。向けられたカメラには、悪戦苦闘しながら働く面々の過去が徐々に映し出されていく。絶望を抱きながら生きてきた清掃員たちは、ゴミに紛れた遺品を前に自分の人生を鑑みることになり……というストーリー。

2017年に全国5都市を巡り、札幌公演は同会場で上演され好評を博した本作。今回、7年ぶりの再演のためにキャスティングされたのは、鈴井と同じく数々の作品を道新ホールで上演してきたTEAM NACSのリーダー森崎博之をはじめ、小橋亜樹、北川久仁子、オクラホマ河野真也、NORD舟木健、安保卓城、瀧原光、元ファイターズガールの滝谷美夢。そして、作・演出・出演の鈴井貴之という、これまでにないラインアップ。

満を持しての再演に鈴井は、「昭和38年に開館した道新ホール。北海道で演劇を志す者にとって一つのステイタスでした。改めて考えると僕とは同年代。一つの時代が終わる悲しみ。その一方で「あとは任せたぞ」というようなバトンを受け取る思いです。『ありがとう道新ホール』。貴方の思い、しかと受け止めバトンを引き取ります。同年代だけれど僕はまだまだ足が動かなくなるまで走り続けます。天国への階段を登るその日まで。」と思いを寄せた。

「『天国への階段北海道re-mix』〜ありがとう道新ホール〜」は、2024年6月21日(金)から23日(日)、道新ホールにて上演。