スポーツ専門局「スポーツネットLA」のリポーターでドジャース担当を務めるキルステン・ワトソンさんが5日(日本時間6日)、本拠でのブレーブス戦を前に大谷翔平投手(29)に対し、指揮官に“ポルシェ贈呈”のアドバイスをした経緯を明かした。

 大谷は3日にデーブ・ロバーツ監督にポルシェのミニカーをプレゼント。その翌日となった4日の同戦で8号を放ち、指揮官の持つ日本生まれのドジャース最多本塁打記録を抜いてトップに立った。

 試合後、大谷は「車が欲しいと言っていたので喜んでもらえてよかったです。笑ってもらうのが好きなので、また何かあればやりたいと思います」と指揮官にポルシェのミニカーを贈った意図を語り、アイデアは「ワトソンさんがやったらどうだと言ってくれました」とワトソンさんの発案だったと明かしていた。

 この発案について、ワトソンによると、デーブ・ロバーツ監督がナショナルズ戦の行われたワシントンDCで、記者の質問に冗談で「良いアイデアだね、私には新しい車が必要だ」と言ったという。

 その後、ワトソンさんがクラブハウスへ行くと、大谷とアイアトン通訳がいたことから「前もって知らせるけど、監督が“車が欲しい”って言ってたよ。準備しておいた方が良いよ」と伝えたそうだ。

 もちろん、大谷もアイアトン通訳も「新しい車?なぜ?」と不思議がっていたそうで、ワトソンさん自身も「正直言って、私も誰かの記録を抜いて、贈り物をあげるなんて、意味がよく分からないと思った」という。

 その上で「ただ、本当にこの話を楽しくするには、“おもちゃの車をあげてみたらどう?”って、提案したの。結果的にすごく良いアイデアになった」と経緯を説明した。

 大谷は実際にワトソンさんのアドバイス通り、指揮官にミニカーを贈呈。ワトソンさんはロバーツ監督に「私が余計なことを言っちゃったみたい。本物の車じゃなくてごめんね」と詫びたそうだ。

 ワトソンさんは「スポーツネット・LA」でドジャースを担当して4年目。身近にチームを取材する立場だけに、ロバーツ監督と大谷がとても良い関係を築けていると証言する。「新しいチームに移ってくるのは色々大変なことが多い。でも監督はいろんな選手とうまく付き合っていける人。メディアに対してもそうで、実は私に対しても新任の頃、辛抱強く接してくれた。ロバーツ監督は個性的ないろんな選手を、うまくまとめあげ、一丸で戦わせることができる」と指揮官の懐の大きさに感謝していた。

 来年、ドジャ―スは日本で開幕を迎える。ワトソンさんもまた日本に行くことを楽しみにしているようだ。