歌手・長渕剛(67)が9日に公式YouTubeチャンネルを更新。80年にリリースされた自身の代表曲「乾杯」が誕生した理由について語る場面があった。

 高校時代、フォークブームだったことから、級友とギターを弾き合っていたという長渕。そこで「たけし」という友人とともに「ダサい名前なんだけどさ、剛&たけしで『T&T』って名前でグループを組んだのよ」と笑いながら明かす。

 2人で楽曲を作り、学園祭などで活動していたというが、たけしさんは卒業し東京の一般企業に就職。長渕は福岡に拠点を移したが、そこからも交流は続き「お互い道は違うけど、どっちかが先に結婚したら祝いの歌を書こうな」と約束したという。

 「ちょうど俺がプロになったとき、たけしが結婚することになって。大阪のサンケイホールの楽屋で、歌を書き始めたのよ」といい「それで1番は“2人の絆だから、かたい絆だな”なんて書いて。意外と早くて、ワンコーラスまで作るのに30分とかだったね」と振り返った。

 「だから、アイツとの出会いがなければ、この歌は生まれてないわけよ。始終たけしに言われたよ“誰のおかげがわかってるだろうな?”って」と大げさなジジェスチャーをみせて、笑わせていた。

 結婚式当日、長渕は「乾杯」を熱唱したというが「アイツが感動して、おいおい泣きやがってね。俺もグッと泣いたんだけど、そしたらたけしが“僕も歌います”って。何を歌うんだろうって思ってたら、さだまさしの『秋桜』歌ってたよ。そっちかよ!って」としっかり、オチを付けていた。

 スタッフから「今彼は何をやっているんですか?」と質問されると、長渕は「それが、何年か前の夏に亡くなったんだよ」と答える。「でも“もうあと1年しか持たない”ってときに、この事務所に来たんだよ。彼は体がきつかったと思うけど、最後に会いに来てくれてさ。“俺の人生は剛と会ってないと、こうなってないよ。すごくいい人生だった”って言ってくれた」としみじみと語っていた。

 「みんなのなかには、それぞれの『乾杯』があると思うんだけど。俺のなかでは、たけしとの青春の日々、そして彼が旅立つ前に残していった数々の言葉を心にとどめながら、大事な歌として歌っている」と友への思いを伝えていた。