元近鉄、中日投手の佐野慈紀氏(56)が、21日までに自身のブログを更新。糖尿病の恐ろしさを訴えた。

 56歳の誕生日だった4月30日、感染症により右腕を切断することになったと発表。昨年4月には「重症下肢虚血 緊急の為、右足中指を切断」していたが、その後「心臓弁膜症」も発覚。プロで41勝を挙げた右投手が、利き腕の右腕を切断することを決断し、今月2日に手術が終了した。

 この日は「お願い」と題するブログで、右腕切断にいたるまでの経緯を説明。糖尿病が発覚し、インスリン注射を打ち出したのが8年前、透析を始めたのが5年前だと振り返った。

 週3回の透析治療が始まり、節制しながら朝のウオーキングを始めたという佐野氏。「去年の4月 いつものように朝ウオーキングしていると 足裏が少し痛い、腫れてるようにもみえる」と違和感があったといい、「定期検診。ついでに診てもらおうと着の身着のままで病院へ向い主治医に診せると緊急オペで右足中指を切り落とす事に」と、まさかの急展開を迎えたことを明かした。

 指先の小さな傷から感染したといい、「手遅れになれば足の切断どころか命まで危ない」という判断からすぐに手術に入った。その後は懸命な治療の甲斐あって中指以外を残すことができたというが、後日、「透析中に心臓がチクリとした」ことから大病院に再入院することに。右手の小さな傷が治らず、カテーテルにより血流を改善したが、「ほんの数週間で指先は壊死した」と回顧した。

 感染を拡げないよう洗浄を繰り返すが、中指にも感染が飛び火。その後間もなくして心臓弁膜症も発覚し「いよいよ右手人差し指と中指を切断することに」と、指の切断にいたった経緯も説明した。

 その傷がふさがらず、激痛が走るなか洗浄を繰り返していたが「感染が血液に乗って心臓に飛び火するリスク」を考えて「即決即断で右腕の切断が決まった」という。「指を落としてから僅か数日の出来事。感染の恐ろしさを目の当たりにした」と率直な思いを打ち明けた。

 佐野氏は「糖尿病と言われ透析になるまで節制はしていた。透析が始まったら毎回の検査は欠かせない。この1年間病院管理の元しっかりと節制できた。それでも結果は知られた通り」と振り返り、「糖尿病。最初はすぐに改善すると思っていたしここまで酷くなるとも思ってない。改めてその恐ろしさを痛感した」と吐露。「これは一度でも糖尿病と言われた方にも起こり得る事。俺は、私は大丈夫なんてことはない。しっかりと管理すれば合併症のリスクは下がる。糖尿病と言われた皆さんどうか甘く見ないで」と呼びかけ、「最後にコメント欄を拝見していると上辺だけの情報や穿った認識の方々の意見も散見されます。その事に惑わされる事なく健康に過ごしてください。糖尿病は恐ろしい」と主張した。