J1新潟は22日、アウェーでJ2秋田とルヴァン杯3回戦を戦う。21日は聖籠町のアルビレッジで最終調整した。リーグ戦前節の湘南戦から中2日。負傷者も多く、コンディション面では過酷な一戦で、これまで全試合にベンチ入りするGK阿部航斗(26)が堅守でチームをプレーオフ進出に導く。

 なかなか波に乗り切れない。それがチームの現状だろう。上向かせるために必要なのが結果だと分かっている阿部は「本当に今、自分たちに必要なのは勝利だけ。勝つことで雰囲気が良くなる」と秋田戦の重要性を説く。

 リーグ戦前節の湘南戦は逆転負け。今季4度目の連勝が懸かった一戦だったが「(横浜)マリノス戦で久々に勝利してチームの雰囲気が良くなって、ここからだという時に連勝できなかった」。結果が続けて出ないことが勢いづかない要因の一つとなっている。

 その上、連戦で選手に疲労がたまっているのも確か。ケガ人も多い。マイナス要素が目立つと言えそうだが、背番号21はポジティブな側面を強調する。

 「ここにきてあまり出ていなかった選手がチャンスをつかみ、普段とは違うポジションでいいパフォーマンスを出している選手もいる。ケガ人が増えたからこそチームの幅は広がっている」。MF星やMF奥村の活躍が代表例。先発メンバーの変更が予想される秋田戦も、控え組の奮起に期待がかかる。

 自身も今季、リーグ戦の出場はない。それでも「今と数カ月後を比較して、少しでも成長できていればと考えてやっている」と練習では常に自分を見つめ、準備に余念はない。その証拠に、先発した4月のルヴァン杯いわき戦では14本のシュートを浴びたがシャットアウト。3日後のリーグ戦の京都戦でもチームは勝利し、今季唯一の“連勝”につなげた。

 その再現を目指し、秋田戦は「試合終了のホイッスルが鳴った時に相手よりスコアが上回っていればいい」と結果だけを求める。J2時代の通算対戦成績は2勝2敗。勝利した試合はいずれも無失点だ。最後方から闘志あふれるプレーを見せ、ゴールに鍵をかける。(西巻 賢介)