世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)が6日、東京ドームでルイス・ネリ(メキシコ)と対戦。6ラウンドにKO勝ちを収め、4団体タイトルの初防衛に成功した。

■試合後に笑顔を見せた悪童

第1ラウンドでネリの左フックが井上を捉え、リングへ転げ落ちる衝撃のシーンで幕を開けた一戦。

第2ラウンドでは井上が左フックでダウンを奪い返し、その後はネリを挑発しながら追い詰める王者。第5ラウンドで井上が2度目のダウンを奪うと、迎えた第6ラウンド、井上がポール際に追い詰めたネリの顎に右を命中させると、ロープに突っ込む形でネリが3度目のダウン。ネリは堪らずマウスピースを吐き出し、井上のKO勝ちとなった。

試合後、WBCのマウリシオ・スレイマン会長は自身のX(旧ツイッター)でネリの様子を投稿。モンスターの強烈なパンチを被弾したネリの顔面は腫れ上がっていたが、ネリはカメラに向かって笑顔でポーズ。その後、病院へ直行した。

ネリは2017年8月の山中慎介戦の薬物検査で陽性反応を示し、18年3月の再戦では大幅な体重超過でWBC世界バンタム級王座を剥奪。

日本ボクシングコミッション(JBC)から国内のライセンス無期限停止処分を受けた悪童だったが、モンスターからプロ初のダウンを奪い、その後も前に出る姿には日本ファンからも称賛の声が上がった。