油祖離宮八幡宮(京都・大山崎)は4月6日、春の大祭「日使頭祭(ひのとさい)」を開催し、献燈の儀、祝詞奏上、玉ぐし奉てんが古式にのっとり行われた。油脂関係者ら約85人が参拝した。5年ぶりに直会が復活した。

日の頭(ひのかしら)を務めた日本植物油協会の新妻一彦会長(昭和産業会長)はあいさつで、油祖離宮八幡宮の歴史を紹介し、「我が国の植物油は初めてこの地で搾油され、かつては燈明として利用され、人々の生活に明かりを灯してきた。最近では人々の健康維持に不可欠かつ重要なエネルギー源であるなど、栄養・健康成分や風味、おいしさが評価され、食生活に定着している。今、植物油は世界的な人口増加やバイオ燃料向けなどにより需要が増加する一方で、温暖化による原料穀物の不作やさまざまな地政学的リスクといった影響もあり、大きな転換機を迎えている。植物油業界では、植物油という国民の命と健康を守る価値ある商品を取り扱っている使命をこの地で改めて認識して、その使命を全うするため、直面する課題に立ち向かっていくことを誓う」と述べた。

直会では、油祖離宮八幡宮崇敬会の木村治愛副会長(マルキチ会長)があいさつし、「油屋にとって神社(離宮八幡宮)は歴史と文化の誇り。神社の維持発展を念頭に協力をお願いしたい」と呼びかけた。

続いて、昭和産業の駒井孝哉常務執行役員大阪支店長は、「コロナ、原料高、為替の円安と、ここ数年油脂業界は非常に苦しんでいる。今年はオリーブの不作、供給不安という状況にある。一方、航空燃料で廃油が非常に高い価格で取引されるようになってきた。皆さんと一緒に環境の変化に対応していきたい」と述べた。

全国油脂販売業者連合会の館野洋一郎会長(タテノコーポレーション社長)は乾杯の音頭をとった。中締めとして、関西油脂連合会の木村顕治会長(マルキチ社長)が油締めを行った。

〈大豆油糧日報2024年4月9日付〉