オアフ島・ノースショアのパイプラインを舞台としたCT開幕戦『Lexus Pipe Pro』は現地時間2月9日に大会4日目を迎え、ファイナルデイを戦うメンバーが決定。
ウェイティングピリオドは2月10日が最終日のため、翌日が確実にクライマックスになる。

この日はファーストコールから3時間後、サイズアップ傾向の中、ウィメンズのみ進行。
敗者復活戦、2つのヒートを同時進行させるオーバーラッピングヒートを使用してRound of 16が進行してベスト8が揃った。

カリッサ・ムーアがまさかの最下位

PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

サイズアップ傾向とはいえ、朝方のヒートはノースショアでミニマムレベルのスモールコンディション。
バレルになる波もなく、敗者復活戦ではカリッサ・ムーア(HAW)が為す術もなく、敗退。
引退試合となるこの開幕戦を最下位で終えてしまったが、彼女らしいポジティブなメッセージを残している。

” 一番にこのコンテストで私のパフォーマンスを披露してサーフィンへの愛と喜びを皆さんと共有できることを望んでいたわ。でもね、今回は厳しい条件の中、僅か2ポイントのスコアで終わってしまったのよ。助けて!でも、私は大丈夫よ。テッド・ラッソが言う通り、「金魚になろう」って感じなの。(テッド・ラッソはApple TV+の人気コンテンツで「金魚になろう」の意味は「過去のことをすぐに忘れ、次に進もう」)
全てのことには意味があるの。この写真は、私のお気に入りの写真よ。勝っても負けても、この素晴らしい男性と彼のハグが常に岸辺で待っている。13年間のツアー、彼の抱擁が私に力を与え、結果に関係なく誇り高く浜辺を歩く力となってくれた。今日だけでなく、これまでの時間、応援しに来てくれたすべての人に感謝する。愛していますし、心から感謝しているわ。”

引退試合とはいえ、カリッサは5月22日〜31日にパリ五輪の会場、タヒチのチョープーで行われる『SHISEIDO Tahiti Pro』にワイルドカードで出場。
2024年パリ五輪にも出場するため、有終の美を飾るチャンスはある。

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ハイエストスコアはモリー・ピックラム

(モリー・ピックラム)
PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

ウィメンズのオープニングラウンドより更にシビアな戦いとなったこの日。
2桁のスコアを出したのは、モリー・ピックラム(AUS)とタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)の2名のみ。
モリーはバックドアで8.17を出し、トータルでも15.50をスコアしてルーキーのアリッサ・スペンサー(USA)に圧勝した。

「良いエネルギーを感じているわ。波が回りが良いし、乗る準備もできている。もちろん、ここでは多くの時間を費やしたわ。パイプで多くの時間を過ごし、リーフや波のことを学んでいる。波が自分の元に来てくれることを感謝している。これからも続くと良いわ」

(モリー・ピックラム)
PHOTO: © WSL/Tony Heff

モアナ、タイラーが敗れ、キャロライン、ルアーナが残る

(キャロライン・マークス)
PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

サイズアップした後半もバレルはほとんどなかったパイプでの戦いに苦戦したのは、2022年にワイルドカードながら優勝したローカルのモアナ・ジョーンズ・ウォンとベテランのタイラー・ライト(AUS)だった。

モアナを倒したキャロライン・マークス(USA)は、昨年のワールドチャンピオン。
リアルなパイプでも勝算はあり、明日のファイナルデイでも優勝候補の筆頭と言えるだろう。

「明日は波が本当に良いみたいなので、興奮しているわ。数名でパイプを楽しめるなんて最高よ。ここの波について本気で学びたい。そして、良いショーを披露したい。ファイナルズデーが楽しみね。明日に備えるわ」

(チャンスが巡ってきたルアーナ)
PHOTO: © WSL/Tony Heff

2xワールドチャンピオンのタイラーを倒す大金星でファイナルデイに繋げることに成功したルアーナ・シルヴァ(BRA)も注目すべき選手の一人。
現在の国籍はブラジルだが、ホームはノースショアであり、ビッグウェーブを得意としているのだ。

「最も難しいヒートだった。勝てて本当に嬉しいわ。ミッドシーズンカットになった一昨年とCSを戦った昨年は精神的に最も厳しいシーズンを送っていた。今は精神的にも体力的にも本当に準備ができているし、全力を尽くしている。私にとって素晴らしいスタートなので、本当に興奮しているわ」

2022年のルーキーイヤーにいきなりミッドシーズンカットでCS落ちとなり、CSを戦った2023年はクオリファイラインの一つ下、6位でリプレイスメントの立場だったルアーナ。
しかし、ステファニー・ギルモア(AUS)のツアー休止によって繰り上げとなり、チャンスが巡ってきた。

ちなみに彼女はヤゴ・ドラの父、レアンドロ・ドラのコーチの元で戦っている一人。
メンズサイドではイアン・ジャンティ(HAW)も同じチームの一員である。

(ルアーナ・シルヴァ)
PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

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メンズ、ウィメンズ共にQFから始まるファイナルデイ。
マッチアップは以下。

ネクストコールは現地時間2月10日朝7時45分。
日本時間2月11日2時45分。

Lexus Pipe Pro Presented by YETI Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) vs. Tatiana Weston-Webb (BRA)
HEAT 2: Luana Silva (BRA) vs. Brisa Hennessy (CRC)
HEAT 3: Caroline Marks (USA) vs. Bettylou Sakura Johnson (HAW)
HEAT 4: Molly Picklum (AUS) vs. Johanne Defay (FRA)

Lexus Pipe Pro Presented by YETI Men’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Ethan Ewing (AUS) vs. Connor O’Leary (JPN)
HEAT 2: Jordy Smith (RSA) vs. Barron Mamiya (HAW)
HEAT 3: Ian Gentil (HAW) vs. Imaikalani deVault (HAW)
HEAT 4: John John Florence (HAW) vs. Leonardo Fioravanti (ITA)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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