能登半島地震の発生から1日で3か月です。地震で大きな被害を受けた石川県で生まれ育った女性が、東日本大震災の教訓を故郷の再生につなげようと先日、宮城県南三陸町を訪れました。

宮城での気づきとは

3月29日、南三陸町を訪れたのは、石川県珠洲市在住の一枚田愛さん(38)です。

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この日は、東日本大震災の伝承活動に取り組んでいる高橋一清さんから復興の歩みについて説明を受けました。

南三陸311メモリアル顧問 高橋一清さん:
「個別条件が違うので同じスピード感で求めると疲れる。条件が悪いので東日本大震災よりもちょっと時間が長くかかるというくらいに抑えないと、焦りが疲れを呼ぶ」

南三陸311メモリアル顧問 高橋一清さん

石川・珠洲市出身 一枚田愛さん:
「全然、珠洲市(の復旧)が進んでいなくて大丈夫なのかとか、この状況でどうなってしまうのかと思っていたが、今の話を聞いたら、そんなに焦らなくてもいいと思った」

実家が津波にのまれる

珠洲市や海外を拠点にエステの講師などをしている一枚田さん。2年半前に亡くなった父親がひとりで住んでいた実家を改築して、この春から民泊を始める計画でした。しかし、その準備のため、海外に滞在していた元日に能登半島地震が発生。

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実家がある地区には津波も押し寄せました。改装中だった実家は床近くまで浸水し、屋根から瓦が落下するなど被害を受けました。

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石川・珠洲市出身 一枚田愛さん:
「(被害を)実際に見たときは言葉が出ない状態。何も考えられない。まったく別の場所に行ったような気持ちになった」

なぜ宮城を訪れたのか

そんな一枚田さん。故郷の復興のかたちを探ろうと、初めて東日本大震災の被災地に足を運びました。

石川・珠洲市出身 一枚田愛さん:
「能登とは津波や地震の規模が違ったと思うが、復興の形を見てそれぞれの市や町が力を合わせて頑張って来たことがすごく伝わった」

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復興への見通しが立たないなかまず、できることから取り組み前を向いて歩んでいく決意をしました。

南三陸311メモリアル顧問 高橋一清さん:
「時間はかかっても必ず復興するので、それを信じてくださいということをメッセージとして、強くみなさんに受け止めてほしい」

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石川・珠洲市出身 一枚田愛さん:
「本当に長い道のりになると思うが、住民たちでどのようにまちづくりをしていきたいか話し合いながら、確実に時間をかけながらでも自分たちがつくりたいまちをつくっていきたい」

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能登半島地震の発生から3か月。一枚田さんは、生まれ育った能登の復興に向け気持ちを新たにしていました。