仙台高等裁判所の小林久起(こばやし・ひさき)判事が不整脈のため亡くなりました。64歳でした。小林判事は、旧優生保護法訴訟で国の責任を厳しく指摘するなど踏み込んだ判断を示していました。

小林久起判事

仙台高裁によりますと小林久起判事は、致死性不整脈のため4月20日、愛知県岡崎市の病院で亡くなったということです。愛知県出身の小林判事は東京高裁や大阪高裁の判事を経て2017年10月に仙台高等裁判の判事に就任しました。2023年10月には、旧優生保護法を巡る控訴審で国の控訴を棄却し、賠償を命じる判決を言い渡しました。その際、「重大な人権侵害の政策を推進してきた国が、原告の損害賠償請求権の消滅を主張することは権利の濫用である」などとし国の責任を厳しく指摘していたほか、集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法を巡る訴訟では、2023年12月、「明確に憲法違反とは言えない」などと原告の訴えは退けたものの全国の同じような裁判では初めて憲法判断に踏み込みました。葬儀はすでに近親者のみで執り行われたということです。