「成長を妨げてしまう」ジョージがハーデンのロケッツ復帰に疑問符。主力のグリーンは「助けになると同時に害にもなる」<DUNKSHOOT>
今季のロケッツはウエスタン・カンファレンス14位の22勝60敗(勝率26.8%)と低迷し、3シーズン連続でプレーオフ進出を逃した。
そうしたなか、今季終了後にチームはスティーブン・サイラスHC(ヘッドコーチ)との来季契約を破棄し、新指揮官にイーメイ・ユドカを招聘した。
グリーンはキャリア2年目の今季、平均22.1点、3.7リバウンド、3.7アシストを残し、ロケッツのトップスコアラーとなった。チームはほかにも平均19.2点、5.3リバウンド、5.7アシスト、1.4スティールのケビン・ポーターJr.、14.8点、9.0リバウンド、3.9アシストのアルペレン・シェングン、12.8点、7.2リバウンドをあげた昨年のドラフト3位ジャバリ・スミスJr.といったヤングコアがいる。
ロケッツは今年のドラフトロッタリーで1巡目全体4位指名権を獲得し、6月22日のドラフトではアメン・トンプソンというフィジカルに秀でたガードの指名が予想されている。
また、ロスターにはルーキー契約の若手が多いことから、キャップスペースに大きな空きがあるため、今夏のフリーエージェント(FA)戦線でスーパースターを獲得することも可能だ。
昨年末から『ESPN』をはじめとする現地メディアが報じてきたのは、ジェームズ・ハーデンの復帰説だ。フィラデルフィア・セブンティシクサーズ2年目となった今季、33歳のスコアラーは平均21.0点、6.1リバウンド、10.7アシスト、1.2スティールを残した。
ハーデンは来季契約がプレーヤーオプションでこれを破棄すれば今夏に制限なしFAになることから、一昨季途中まで約9シーズン在籍したロケッツへ復帰する可能性が報じられている。
もっとも、21歳のグリーンから飛び出したのは「助けになると同時に、害にもなる」という言葉だった。
グリーンやポーターJr.、シェングン、スミスJr.のヤングコアに実績十分のハーデンが加わることになれば、ロケッツは超攻撃型のチームとして注目を浴びるだろう。ただ、昨季まで中心を担ったグリーンやポーターJr.ではなく、ハーデンを中心の戦いにシフトしていくことが予想される。
また、『Bleacher Report』のクリス・ヘインズ記者が「ハーデンは競争力のあるロスターが揃っていて、彼自身がより自由にバスケットボールをプレーできるチームだけを求めている」と報じていることからも、今夏にロケッツへ復帰するには条件がマッチしていないように思える。
ジョージも同じ意見で、番組内で「現時点で、俺には(ハーデンが戻ってくるとは)思えないね。今の段階では、彼がヒューストンのキングになってしまう。それが真実なんだ。彼ら(ロケッツ)は誰に未来を託すのかを決断していく必要がある」と語り、さらにこう続けていた。
「この状況を乗り越えなきゃいけない。(ハーデンが入れば)ダブルチーム、あるいはトリプルチームされて、毎回ターゲットになるだろうね。ジェームズのようなボール独占型の選手を加えることで、(若手たちの)成長を妨げてしまうことになってしまうだろうね」
もしチームがドラフトでガード(トンプソン)を指名し、FA市場でハーデンを獲得した場合、ロスターはトンプソン、ハーデン、グリーン、ポーターJr.とガード過多となる。
来季のロケッツはユドカHCの下でプレーオフチームへ進化していくことが目下の課題となるだけに、現状でハーデンが古巣へ復帰する可能性は低いと言えるだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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