ロサンゼルス・エンジェルスは現地11月8日、ロン・ワシントン氏の新監督就任を発表した。

 同氏は2010、11年にテキサス・レンジャーズの監督として2年連続地区優勝を成し遂げ、チームをワールドシリーズ進出に導いた名将である。現在71歳のワシントン氏は17年からアトランタ・ブレーブスの三塁コーチを務めており、21年には26年ぶり4度目のワールドシリーズ制覇に貢献している。
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 エンジェルスは現在、フリーエージェント(FA)となった大谷翔平の去就が米球界で大きな注目を集めている。新監督が決定する前の今月6日には、大谷にクオリファイング・オファー(選手がFAになった際に元所属球団が補償のドラフト指名権を受け取るために必要な1年契約のオファー)を提示したことも発表。移籍か、残留か。偉才を取り巻く周辺は騒がしさを増している。

 エンジェルスと再契約の可能性も残す大谷。これまでの球団との関係を含め、二刀流戦士の今オフの動向をメジャー公式サイト『MLB.com』は大きく取り扱っている。

 同メディアのエンジェルス番記者であるレット・ボリンジャー氏によると、「エンジェルスにとってワシントン氏の監督就任は、今オフ最初の大きな動きだ」と断言。今後開かれる記者会見において、「指揮官以外のさらなる多くの情報が発表される見通しだ」と言及している。
  ボリンジャー氏は「ワシントン新監督にとって最大の問題は、現在FAである二刀流スーパースター、ショウヘイ・オオタニを管理できるかどうかだろう」と述べており、大谷の動向が球団にとって、今オフ最も大きな関心事だと指摘する。

 一方で、ペリー・ミナシアンGMは「今オフシーズンが、どのような展開になるのか注視していく」と注目発言。「私たちは計画を立てている。それを実行して、すべてがどうなるかを検討する必要がある」と移籍市場を見据えたコメントを発しており、偉才の去就については明言を避けている。

 しかし、同GMは「オフシーズンをひとりの選手にもとづいて決めることはない」と興味深い発言をしており、「プランA、B、C、Dなどを用意する必要がある。だから、(私は)いつものように積極的に仕事をしようと思っており、たくさんの会話をしてすべてがどう動くのかを見ていくつもりだ」との見解を示し、大谷の残留、そして来季の補強に向けた動きに含みをもたせている。

 ボリンジャー氏は「オオタニの決断は、彼に興味を抱いている多くの球団に波及効果をもたらす可能性がある。そのため、野球界全体に大きな影響を与えることが予想される」とし、過去にないほどのマネーゲームが展開されると予想する。また、ミナシアンGMの発言を踏まえて、「オオタニが早期に決断を下さなければ、エンジェルスが厳しい状況に陥るとは思っていないようだ」と論じている。

 他にも、エンジェルスのコーチ陣については「若干の変更がある」とボリンジャー氏は指摘。今季終盤に失速したチームは「テコ入れを図る」と明かしている。

 来シーズン、新たな指揮官に率いられるエンジェルス。立て直しに向け、いったいどんなチームへと変貌を遂げるのか。これまで投打の柱として、6シーズンチームを牽引した日本人プレーヤーの決断にも、引き続き熱い視線が注がれる。

構成●THE DIGEST編集部

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