MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジの1つ『名古屋ウィメンズマラソン』が、3月10日に開催された。安藤友香(ワコール)が2時間21分18秒の自己ベストで優勝を果たすも、前田穂南(天満屋)の日本記録(2時間18分59秒)に届かず。パリ五輪日本代表の3枠目に前田が内定した。

 今大会、安藤をはじめ鈴木亜由子(日本郵政グループ)、加世田梨花(ダイハツ)らが最後の1枠を狙いスタートラインに立った。前半は先頭集団につけていた3人だが、25キロ過ぎに鈴木が遅れると、安藤や加世田も海外勢から徐々に引き離されていった。

 それでも諦めず前を追い続けた3人。39キロ過ぎ、安藤はついに先頭のユニスチェビチー・チュンバ(バーレーン)の背中を捉えた。激しいデッドヒートが繰り広げられ、残り700メートルで安藤が仕掛けると、これにチュンバは付いていけず。バンテリンドームのゴールテープに真っ先に駆け込んだ。
  大逆転劇を演じ、7年ぶりに自己ベストを更新した安藤。五輪出場権は逃したものの、今大会で得た手応えは大きいようだ。シドニー五輪金メダリストの高橋尚子は、「名古屋ウィメンズ良い試合でした」と自身のXで感想を綴った。

 そして「前田さんの日本記録には届かなかったけど、これが歴史が動いた効果ですね。皆がそこを目指して練習を積み、意識と取り組みが変わった事で安藤選手も鈴木選手も自己ベスト、成長に繋がりました」と高く評価したうえで、以下のように続けた。

「嬉しさは自信に五輪選考に敗れた悔しさはバネに次の挑戦が楽しみです」

 切磋琢磨しながら記録を伸ばしつつある日本女子マラソン界。Qちゃんが期待するように今後の挑戦も楽しみにしたいものだ。

構成●THE DIGEST編集部

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