サクラメント・キングス在籍2年目のマリーク・モンクが、NBAキャリア7年目にして自己最高のシーズンを送っている。

 今季ここまで欠場は1試合のみで、64試合に出場してキャリアハイの平均15.7点、5.3アシストを記録。フィールドゴール成功率44.9%、3ポイント成功率37.0%(平均2.2本成功)、フリースロー成功率81.1%と、各シュート成功率も上々の数字を残している。

 現地3月13日のロサンゼルス・レイカーズ戦前、地元メディア『NBC Sports California』の“Kings Pregame Live”のインタビューに応じたモンクは、これまでの経験を振り返りつつ、今季の好調の要因を語った。

 モンクは名門ケンタッキー大で現チームメイトのディアロン・フォックスと一緒に1年間プレーし、2017年のドラフト1巡目11位でシャーロット・ホーネッツから指名されてNBA入り。ホーネッツで4シーズンを過ごし、レイカーズでの1年間を経て昨季からキングスに加入した。

 現在5シーズン連続で平均2桁得点を記録する26歳は、今季好調の要因を次のように分析する。
 「多くの機会を得たことかな。ケンタッキー大へ行くまで、俺はずっとポイントガードとしてプレーしてきた。ただ、フォックスと一緒になったことでオフガードをこなすようになったんだ。ありがとう、フォックス。

 つまり、俺はそれまでずっとボールを手にしてプレーメーキングをこなしていたんだ。でもNBAではその役割を手にすることはなく、ここへ来てマイク(ブラウンHC)から自由を与えられるまで、全くそのチャンスがなかったのさ」

 昨季、オフェンシブ・レーティングでリーグベストかつ歴代最高値(118.6)を叩き出したキングスで、主軸を担うのはオールスターデュオのフォックスとドマンタス・サボニスであり、その周囲をハリソン・バーンズ、ケビン・ハーター、キーガン・マレーといった得点力のある選手たちが支えている。

 そのなかで、チームはモンクにセカンドユニットの牽引役を託すことを選択。フォックスが欠場した場合も、ブラウンHCはデイビオン・ミッチェルやキーオン・エリスを先発起用し、モンクを全試合でシックスマンに固定している。 モンクとしては、キングス、そしてブラウンHCの下で役割が明確化したことで、水を得た魚のように生き生きとプレーできているということなのだろう。

「自由でいられること。それがNBAで成長するうえで最も重要なことなんだ。今は快適にプレーできている。自由になれば、誰だって快適になるものさ」

 そう語ったモンクは、さらにこう続けている。

「だからリーグ入りする選手たちにとって重要なのは、周囲に『アイツはダメ、失敗作だ』と言われようと、実は機会を手にできていないだけということ。俺は今、その機会を手に入れることができているのさ」
  キングスは13日、ホームのゴールデン1・センターでレイカーズを120−107で撃破。今季のレイカーズ戦を4戦全勝とし、38勝27敗(勝率58.5%)でウエスタン・カンファレンス6位へ浮上した。

 モンクはベンチ組でトップの約26分をプレーし、8得点、3リバウンド、6アシストで勝利に貢献。フィールドゴール成功率は30.0%(3/10)と不調も、ボールハンドラーとして指揮官からの信頼は厚く、後半の4アシストなどでチームを盛り立てた。

 キングスがこのままウエスト上位をキープし続ければ、モンクが今季の最優秀シックスマン賞を獲得する可能性も十分にありそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)