現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月7日〜14日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート/ATP1000)は現地13日にシングルス準決勝を実施。第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)は第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同10位)に4-6、6-1、4-6で敗れ、決勝進出を逃した。

 同大会では2013年と15年の2度優勝を経験している36歳のジョコビッチは今大会、初戦(2回戦)でロマン・サフィウリン(ロシア/41位)に快勝し、3回戦では昨年敗れたロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/24位)へのリベンジに成功。準々決勝でも年明けの「ユナイテッドカップ」で後塵を拝したアレックス・デミノー(オーストラリア/11位)に雪辱を果たし、5年ぶりの4強進出を決めていた。

 準決勝の相手は過去5戦負けなし、さらには1セットも落としたことがない相性抜群のルード。直近では昨年の全仏オープン決勝で対戦し、ジョコビッチが7-6(1)、6-3、7-5で勝利していた。ところが今回はジョコビッチが開始直後の第1ゲームと第5ゲームの2度ブレークを許し、4-6でセットダウン。それでも第2セットでは1ゲームしか与えない完璧なプレーを見せてセットオールに持ち込む。

 しかしこの勢いも長くは続かず。ファイナルセットで先にブレークを喫したジョコビッチは第7ゲームから3ゲームを連取して追いつくも、4-5で迎えた第10ゲームではミスを連発して3本のマッチポイントを献上。最後は痛恨のダブルフォールトを犯し2時間17分で力尽きた。
  昨シーズンは四大大会3勝を含む7つのツアータイトルを獲得したジョコビッチだが、今季はいまだ優勝はなし。それどころか出場3大会で1度も決勝に進出できていない。苦境に立つジョコビッチは試合後の会見で「接戦だったが、試合に負けて残念だ」と悔しさを滲ませながらコメント。ルード戦に関しては良い点もあったと振り返りつつ、こう続けた。

「ポジティブな要素は、第1セットを落とした後で何とか立ち直り、試合で本当に強さを見出せたことだ。だから今大会から得たものは確かにあるが、もちろん負けたことにはがっかりしている」

 それでもレジェンドはすでに前を向いている。出場大会が少ない割に結果は悪くないとし、次のように締めくくった。

「これまでの結果に対する期待値という点で非常に高いレベルにいることに慣れているから、今季まだ優勝がないのは、過去15年と比較すると決して素晴らしいシーズンではないかもしれない。でも全豪とここでベスト4に進んだし、今年はまだ3大会しか出ていない。今季のようにスタートがうまくいかないシーズンがあるのは普通のこと。良いテニスはできたから、ここから結果が上向けばいいと思う。次の大会ではさらに良いプレーができることを願っている」

 現時点でジョコビッチは22日に開幕するマスターズ1000大会「マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/クレーコート)に出場予定。そこでの挽回を期待したい。

文●中村光佑

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