今季のミルウォーキー・バックスは49勝33敗(勝率59.8%)でレギュラーシーズンを終え、6年連続のセントラル・ディビジョン優勝、8年連続のプレーオフ進出を飾った。

 ロスターにはNBA史上初の平均30.0点、フィールドゴール成功率60.0%超えをマークしたヤニス・アデトクンボ、今年のオールスターでMVPを獲得したデイミアン・リラードの2枚看板を筆頭に、元オールスター選手のクリス・ミドルトンとブルック・ロペス、ベテランのボビー・ポーティス、パトリック・ベバリー、ジェイ・クラウダーといった実力者が揃っている。

 ただ、チームは4月14日(日本時間15日、日付は以下同)のレギュラーシーズン最終ゲームのオーランド・マジック戦に88−113で敗北。最後の10試合を3勝7敗と調子を落としてしまっている。
  イースタン・カンファレンス第3シードのバックスが、プレーオフのファーストラウンドで激突するのは第6シードのインディアナ・ペイサーズ。今季はインシーズン・トーナメントを含めて計5度対戦し、バックスは1勝4敗と負け越している。オフェンシブ・レーティングでリーグ2位の120.5を誇るペイサーズは、その破壊力と相性の良さを武器に意気揚々と上位シード相手に挑んでくることだろう。

 もっとも、この2チームが最後に対戦したのは1月3日のこと。エイドリアン・グリフィンHC(ヘッドコーチ)の解任によって1月27日に指揮官に就任したドック・リバース体制下でペイサーズと対峙するのは、プレーオフが初となる。

「インディアナはパーフェクトな対戦相手だ。彼らは我々に対して素晴らしいプレーをしてきたし、すごく自信も持っている。我々は(シリーズに向けて)最大限にフォーカスしていかなければならない」

 リバースHCがそう語れば、リラードもペイサーズとの対戦を前に「俺たちはあの時からいろんなことを経験してきた」と話していた。

「俺たちは逆転を許すこともあったし、勝利を掴んだこともあった。そこから新しいコーチが入り、それまでとは違うやり方、違うプレースタイルを手にしたんだ。多くを経験し、自分たちについてより多くのことを学んできた」
  ペイサーズにはオールスターガードのタイリース・ハリバートンが君臨しているだけでなく、マイルズ・ターナーやアーロン・ネスミス、アンドリュー・ネムハード、オビ・トッピンといった生きのいい選手、さらにシーズン中のトレードで元オールスターフォワードのパスカル・シアカムも加えている。
  1月17日の加入後、平均21.3点、7.8リバウンド、3.7アシストにフィールドゴール成功率54.9%を記録したシアカムは、ペイサーズのメンバーとしてバックスとは今季まだ対戦していないことから、シリーズのXファクターになるかもしれない。

 シリーズ初戦は21日、バックスの本拠地ファイサーブ・フォーラムで幕を開ける。両軍の激闘に注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!