コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ヤクザのお話なのに心がほんわかすると話題の人気作品「スイーツ♥ヤクザの甘杉さん」の中で特に反響の大きかった「会合場所をまちがえてアフタヌーンティーに来てしまったヤクザたち」をピックアップ。

作者の並庭マチコさんが12月5日にX(旧Twitter)で同作を投稿。そのツイートには合わせて1万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では並庭マチコさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。

■クールなヤクザの意外な一面とは…
泣く子も黙るクールなヤクザ・甘杉は“大のスイーツ好き”。そんな甘杉は、自分のイメージを崩さないよう、スイーツ好きであることをみんなに隠していた…。

ある日、幹部会の場所を聞かれた甘杉は間違えて個人的に行きたいと思っていた“アフタヌーンティー”のお店のメモを渡してしまう。案の定、会合場所に来たヤクザ達は大混乱。説明を求められた甘杉は自分のミスをごまかすため、「意味もなくこの店を選ぶと思うか?」と答えた。

この言葉をきっかけにヤクザ達は甘杉の意図を探り始める。メニュー表のショートケーキを見て「短い刑期?刑期15年?」と深読みが止まらないヤクザ達。

そんな中、大のスイーツ好きである甘杉は“アフタヌーンティー”を大満喫していた。

アフタヌーンティーを予約した甘杉の意図を探るべく、深読みが止まらないヤクザ達に読者からは「めちゃくちゃ笑ってもうた」「発想が面白い」「いい意味でアホや」「好きすぎる」など多くのコメントが寄せられている。

■「グルメとヤクザを面白く絡められそうなストーリーを考える」作者・並庭マチコさんが語る創作背景

――「スイーツ♥ヤクザの甘杉さん」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

グルメものを描こうと思ったことは今までなかったのですが、グルメ漫画雑誌の「ごはん日和」で連載のお話をいただき、今までテーマが自由だと逆に悩んでしまうことが多かったので決まっている方が描きやすいかもと思い、挑戦することにしました。「ごはん日和」は基本的に癒し系の雑誌ですが、私はギャグ漫画を描きたかったので雑誌の雰囲気とギャップを出せる設定がいいなと思い、その中の一つがヤクザでした。(ゆるふわヤクザですが…)

――「発想が面白い」という声が多くありましたが、作品のストーリーはどこから着想を得ているのでしょうか。

「ごはん日和」には毎回3つほどグルメテーマがあり、そこから作家が選んで描きます。私の場合は一番描きやすそうなテーマを選んで具体的なグルメを決め、そのグルメとヤクザを面白く絡められそうなストーリーを考える…という流れで作っています。できればもっと外食して研究したいのですが、あまり外食する習慣がないので、まず自分の好物や身近なものから探しています。

――「会合場所をまちがえてアフタヌーンティーに来てしまったヤクザたち」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

2ページ目のアフタヌーンティーで集まっているヤクザが出落ち感があって気に入っています。その後、甘杉の言い訳を信用して意味があると思いこんだ仲間に対し甘杉が心の中で「いやないけど…素直に話しても評価下がるだけだし…」と思う部分も性格悪くて共感できて気に入っています。(笑)

――「好きすぎる」「めちゃくちゃ笑ってもうた」など大きな反響がありましたが、コメントを読んだ時のお気持ちをお教え下さい。

雑誌で連載中は感想をもらうことがほぼないのと、雑誌掲載作品なのでSNSに載せられる範囲が途中までなのでどんな反応になるか不安でしたが、楽しんでもらえてとても嬉しかったです!自分がもともと掲載していた家族実録「プリンセスお母さん」ファンの方は作風の違いに驚かせてしまったかなと思いますが、どちらも面白いと言って下さる方も多くホッとしました。

――今後の展望や目標をお教えください。

色んなキャラを出せたら楽しいなと思っています。そして取材と称して美味しいものを沢山食べたいです。でも太りたくないです。悩ましい。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

漫画の感想をいただくのが一番の励みなので、読んでいただけてとても嬉しいです。これからも頑張ります!悲しいニュースも多い昨今ですが、美味しいものを食べたり漫画を読んだりして、息抜きしながら、笑顔で元気にお過ごしください!